2024.02.29

CARS

ヤフオク7万円で買ったシトロエン、細々したトラブルと平和だった(わずか)半年間【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#33】

焼津を目指し東名高速を西へ向かう途中、富士川SAで一休みしているエグザンティア。

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ヤフー・オークションで7万円のシトロエン・エグザンティアを手に入れ、10カ月と200万円かけて修復したエンジン編集部員ウエダの自腹散財リポート。今回は大規模修理から1年間の総まとめと、LHM漏れでキャリアカーで運ぶなど大慌てしてからの、およそ半年間の平和な日々の様子をお届けする。はたして、25年以上前の中古車がどれくらい実用的だったのか。また、走行距離の非常に少ない別のエグザンティアに乗る機会もあったので、比較試乗の模様もご報告しよう。


ようやく落ち着いた?

2021年6月に手に入れ、そこから板金と整備で10カ月。納車が翌2022年3月末の春のことで、喜び勇んで走り出せば納車当日からサスペンションがハード・モードに固定。それを直しても続いて速度計が不調に。日本の酷暑をなんとか乗り越えたと思ったら、秋になるのと同時にハイドローリック・シトロエンの命ともいえる緑色のフルードを路上でぶちまける。……とまあ、こんな具合に春・夏・秋と色々あったわけだが、冬が近づくと、ようやくエグザンティアは落ち着きを見せたようだった。そして、ふたたび春が巡ってくる頃には、積算計の数字は17万4088kmまで進んだ。



なんとか初期の不具合は洗い出すことができたといえるだろう。2022年3月末から2023年3月末までの、ちょうど1年間の総走行距離は1万5118kmだった。そのうち269kmはカークラフトによるテスト走行など、僕が運転していない分なので差し引くと、1万4849kmを走破したことになる。1カ月あたりの平均で約1200kmだ。どうだろう、27年オチ、17万kmオーバーの過走行の中古車にしては、なかなかよく走ったのではないだろうか。

この1年、僕は24時間365日、雨の日も風の日も、混み合った渋滞も遠方への旅行も、仕事でもプライベートでも、家族や知人、荷物を満載にしてエグザンティアで走り回った。

定期的によく走ったのは自宅から新潮社までの往復で、国道1号線、首都高2号線、環状線、5号線を経由するというもの。ただし比較的この道筋は空いていることが多く、通勤ラッシュなど渋滞に巻きこまれることは少なく、エグザンティアにとっては安楽なドライブだったとも言える。このルート、特に首都高とエグザンティアの相性がすこぶるいいことについてはまた機会を改めてご報告したい。とはいえ、行楽時期や年末年始の帰省の際は、長い渋滞にきっちり巻き込まれている。


1年間の平均燃費はリッター10km

そういう状況下で走って燃費はどうだったか。満タン法で算出したところ、1年間の平均燃費は10.01km/リットルだった。いちばん悪い時で8.1km/リットル、もっとも良い時でも11.5km/リットル。もちろん、燃料はすべてハイオク・ガソリンだ。

基本設計は30年以上前の内燃エンジンと、今や効率がいいとはとても言えない4段のAT。ほぼ1年を通じてエアコンを使い、サスペンション、パワー・ステアリング、ブレーキすべてに関与するハイドローリック・システムのためのポンプの駆動ロスも大きい。それらを踏まえたら、リッター10kmというのは、これまた決して悪い数字ではないと思う。もちろん、2024年現在の欧州実用車と比べたら、けっして褒められたものではないけれど……。

アディショナル・スフェアに付くソレノイド・バルブがLHMで濡れている。

冬から春にかけての工場入りは2回あった。1回目は鈴虫と呼んでいるメーター・ユニット周囲からの異音対策。2回目はフロントのアディショナル・スフェアのソレノイド・バルブからのわずかなLHM滲みの修理だ。鈴虫対策の時はリア・サスペンションからの少し大きめの異音の点検も行っているので少々手間が掛かったが、LHMの滲み対策はソレノイド・バルブのオーバーホールのみ。いずれも部品代はほぼ掛からず、コストは工賃のみだった。クルマを預けるのも、数日程度で済んでいる。

パーツ・リストを確認。しかしマウントはすでに廃盤。

この時期の修理の詳細について写真をご覧になって欲しい。用いた部品など、明細は以下に記しておく。

※部品価格などは2022年10月ないしは12月時点のもの

・バルブ・キャップ(6個入り)  工賃なし
(ホームジョイホンダで購入※部品代460円)

・オーディオ・ユニット脱着、ステアリング・リモート・コントロール用配線の固定、オーディオ・ユニット固定ピン取り付け、前後サスペンション点検、リア右サスペンション・シリンダー部にラバー取り付け  19,000円
(※部品代なし)

・前アディショナル・スフェアのソレノイド・バルブを脱着、組み付け、LHM補充(部品取り車アクティバより脱着、清掃、分解を含む)  7,200円
(※部品取り車両より流用のため部品代なし)

合計  26,660円

しかし残念ながら鈴虫退治は成功せず、その後もときどき鳴り続けている。いっぽう、段差を乗り越えるときなどのリア・サスペンションからの「バキン!」という嫌な音は、この作業以降まったく出なくなった。

鈴虫は60km/hくらいの、エンジン回転が2000rpm前後の比較的荒れた路面で発生しがちで、気持ち良く田舎道を走っている時などに鳴り続けるので、どうにか根治したいとその後もしつこく対策を検討している。これもまた、改めて成果をご紹介したい。

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