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2024.02.21

CARS

こんなにオーナーの愛情が注がれた旧車を僕たちはいまだかつて知らない！　マトラ・ボネ・ジェット5Sとルノー8ゴルディーニ　これ以上増車の必要はないという、その理由とは？

藤原よしお

マトラ・ボネ・ジェット5S（1966）とルノー8ゴルディーニ（1967）に乗るオーナーの丸山さん

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雑誌『エンジン』の人気企画、「2台持つとクルマはもっと楽しい」。60年代フレンチ・スポーツ・サルーンの雄、ルノー8ゴルディーニと世界初の市販ミドシップ・スポーツカーのマトラ・ボネ・ジェット。なんともマニアックな2台を収めるガレージの主人は、すべてを自分の手でこなすスーパー・エンスージァストだった。


シンプルながら居心地のいいガレージ

まず驚いたのはガレージだ。

まるであつらえたかのように、2台のフレンチ・ヒストリックが綺麗に収まるガレージは、タイヤや工具の保管場所や簡単な作業スペースも確保された機能的なもので、シンプルながら不思議と居心地がいい。

「実はこれ、柱が4本とスレートの屋根があるだけの市販のカーポートなんですよ。そこに壁やドアを取り付けてあるんです」

なんとこのガレージは、オーナーの丸山浩史さんがすべて自分の手で改装したものなのだ。



「ジッパーで開く入り口は以前使っていた蛇腹のガレージと同じ構造のもので、テント屋さんに特注で作ってもらいました。風が強いとバタバタするので、内側に梁をつけるようにしたり、全部自分で考えて作りました。風は抜けますが、雨水が入ることはありません。やはり自分でやった分、愛着がありますね」

まさにアイデア賞もののガレージなのだが、驚くのはそこだけにとどまらない。ガレージに収まる1967年型のルノー8ゴルディーニ1300のエンジン・オーバーホールを含むメンテナンス一式を行うだけでなく、1966年型のマトラ・ボネ・ジェット5Sのシャシーアップ・レストアまで自分自身の手で行っているのである！

子供の頃のスーパーカー・ブームは、ランボルギーニ・カウンタック派ではなくランチア・ストラトス派だったという丸山さんが、大学生時代にはじめて買ったクルマはルノー・キャトルだった。

「シトロエン系よりルノーのちょっと不細工な感じが好きで。形的にも古いクルマが好きだけどメンテナンスに自信がなくて、1989年型だったかな、1年落ちの紺色のキャトルを買ったんです」

フォグランプやローダウンしたサスペンションなど、丸山さんの手によるモディファイが施されたルノー8ゴルディーニ。

一方、その頃から丸山さんはルノー8ゴルディーニにターゲットを絞っていたという。

「就職したら買おうと思っていましたが、当時は国内には売り物がなかったので、現車を見ずにショップを通じて輸入してもらいました。1994年までフランスにいたクルマで、僕で3オーナー目。13インチのデルタミクス・ホイールを履いていましたが、ほかはノーマル、現状渡しって感じでした。以来、30年乗り続けています」


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