2024.05.08

CARS

「欧州プレミアム・ブランドが本気を出したときの恐ろしさをまざまざと見せつけられる」 これがメルセデスAMG EQE53 4マチック・プラス SUVに試乗した石井昌道の本音だ!!

4880mmの全長に1670mmの全高のボディに、460kWの最高出力をもつパワートレインとAWDシステムを搭載するEQE53 4マチック・プラス SUV

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良いモノ感がじわっと沁みてくるメルセデスAMG EQE53 4マチック・プラス SUVに乗った小川フミオさん、石井昌道さんの本音やいかに? 今年もやりました「エンジン・ガイシャ大試乗会」。2024年、大磯大駐車場に集めた注目の輸入車36台にモータージャーナリスト36人が試乗!

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「高級車として究極のレベル」石井昌道

ここ数年は仕事の半分近くがBEVであったりするほど、多くのモデルに試乗しているが、テクノロジーの進歩に舌を巻くことも少なくない。

その1つがメルセデス・ベンツが真打ち登場とばかりに送り出してきた、BEV専用プラットフォームのフラッグシップ・モデル達だ。

ドアを開けると巨大なモニターが目に飛び込んでくる。インパネは「MBUXハイパースクリーン」と名付けられた3枚の液晶画面で構成される。ラゲッジルームは5名乗車時で520リッター。後席バックレストをすべて倒した最大荷室容量は1675リッター。後席は40:20:40の分割可倒式で、乗車人数や荷物に応じて多彩なシート・アレンジが可能だ。

そのうちの1台であるEQE SUVを今回走らせてみると、改めて凄みを感じた。

とにかくノイズの抑え込みが半端なく、各部のフリクションの少なさによる上質な乗り味など、高級車として究極のレベルにあるのだ。

BEVはエンジン音がない分、ロード・ノイズや風切り音、特有のエレキ・ノイズなどが目立ちがちになるものだが、EQE SUVは「やればここまで出来るのか!」と感心させられるほど静か。

かつて静粛性といえば日本車がナンバーワンで、欧州車は音に無頓着だと言われていたが、いまはメルセデス・ベンツの足元にも及ばないほどになってしまった。

欧州プレミアム・ブランドが本気を出したときのおそろしさをまざまざと見せつけられるとともに、最新テクノロジーを味わう幸せを噛みしめることができるのだ。




「ここまでの“やりすぎ感”をもつBEVはめったにない」小川フミオ

別項でマセラティMC20チェロのことをエモーションをかきたてるよさがあると書きましたが、こちらは角度が違う。格闘技とかラグビーなどの競技のようなエモーションを喚起させます。つまり興奮です。ここまでのクルマ、日本にないでしょう。

4880mmの全長に1670mmの全高のボディに、460kWの最高出力をもつパワートレインとAWDシステムを搭載。

なめらかな輪郭のスタイリングゆえか、見た目の凝縮感が強くて、ある種の美があります。ただしそれでも、縦スリットの大型フロント・パネルとか、21インチ径ロードホイールに組み合わされた275/40サイズのデカいタイヤとかで、筋肉質な印象が勝ってます。

実際に驚くほど速い。かつ、もう1つの驚きは、あまりに静粛性が高いので、スピードを感じにくいこと。箱根のターンパイクの下りとかでは、けっこう強力に効くブレーキの恩恵を感じながら、どこまでいけるのか、とやや焦ったほどです。

ここまでの“やりすぎ感”をもつBEVはめったにない。EQシリーズで電動SUVの先鞭をつけたメルセデス・ベンツとしては常勝を課せられているのでしょう。

パワートレインはEQE53セダンと同じ。前後アクスルにそれぞれモーターを搭載し、システム全体で最高出力626ps、最大トルク950Nmを発生する。オプションの「AMGダイナミックプラスパッケージ」によって687ps、1000Nmに引き上げることも可能。駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は90.6kWh。WLTPモードによる一充電走行距離は407km~455km。全長×全幅×全高=4880×2030×1672mm。ホイールベース=3030mm。車両重量=2690kg。車両価格=1593万円。


写真=小林俊樹(メイン)/郡 大二郎(サブとリア)

(ENGINE2024年4月号)

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