2024.08.07

CARS

富士スピードウェイが狭く感じる! ランボルギーニの新たな旗艦、レヴエルトに日本で試乗 圧巻の速さ!!

富士スピードウェイでも手狭に感じる? ランボルギーニ・レヴエルトに初試乗。

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速さに勝る安定感

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走り始めはモーター、いわゆるEV走行を体感して欲しいというので、「チッタ」「ストラーダ」「スポーツ」「コルサ」の4つの走行モードのうち、唯一モーターのみで走行する市街地モードのチッタを選択する。スルスルッと無音で走り出すかと思いきや、エンジンは作動していないのに、機械音がけっこう大きい。思わず「やっぱりランボルギーニなのね」と笑ってしまった。

レヴエルトのパワートレインはミドシップに搭載したV型12気筒と前に2基、後ろに1基の計3基のモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。前2基のモーターで前輪を、エンジンとリア・モーターで後輪を駆動する4WDだ。EV走行の場合でも、センタートンネルに置かれた3.8kWhのリチウムイオン電池のエネルギーを使い、3基のモーターで4輪を駆動する。ただ、リア・モーターよりも2基合計で2倍の出力を持つ前輪が車両を引っ張って行く感触が強く、どことなく前輪駆動っぽい走り味だ。電動走行でも出力は3基合計で上限180psに及ぶので、けっこう速い。メーター読みで140km/hまで出したが、ちょっとしたスポーツカー並みの加速を見せる。

シートはしっかりとしたクッション性を持たせつつ、スポーツ走行にも耐えうるホールド性も備える。

先導走行するインストラクターの指示により、ステアリング・スポークの左上にある走行モード・スイッチを切り替え、ストラーダを選択。すると、間髪入れずに新開発の6.5リッターV12が目覚め、雄叫びを上げる。チッタ以外の3モードでは常にエンジンが稼働する設定なのだ。出力は825ps/725 Nm。圧縮比を高めた新しい燃焼室や流れを最適化した吸排気系の採用などにより、SVJより55psも高い数値を叩き出している。さらに3基のモーターのアシストを加えた総合出力は、ストラーダで886ps、スポーツで907ps、コルサではなんと大台超えの1015psへと高まるのだ。

濡れた路面を前に恐る恐るアクセレレーターを全開にする。ペダルを踏んだ瞬間にクルマが反応したかと思うと、低音と高音が混じるランボルギーニ独特のV12サウンドを響かせながら、あっという間に9250rpmのリミットへ到達。途切れることのない圧巻の加速力だ。しかも、レスポンスが抜群にいい。これはモーターの働きに因るところが大きいだろう。しかし、モーターの存在を感じるのは最初の蹴り出しくらい。それ以外の状況では常に、主役である自然吸気のV12を堪能できる。

V12エンジンにはカバーがなく、むき出しのまま。

また、搭載位置をエンジン前縦置きから後ろ横置きへと変更し、さらに7段から8段、シングルからデュアルクラッチ式へと進化した新しい自動MTもいい仕事をする。自動変速モードにしていても何の不満もない。ただ、シフトショックがあるのだ。意図的なのか、それとも避けられないことなのかは不明だが、少なくともランボルギーニらしさを実感できることは間違いない(笑)。



レヴエルトではパワートレインに目が行きがちだが、個人的にはシャシーの進化が著しいと感じている。まず安心感と安定感が格段に増した。アヴェンタドールではステアリングを切った後の挙動が掴みづらく、探りながらの操作を強いられたが、レヴエルトではウェットの難しい路面状況でも狙った方向にスパッと切り込んでいける。しかも、後輪操舵なのか、トルクベクタリングなのか、それとも空力のおかげなのかは判別できないが、定速旋回はもちろんのことコーナリング中に加減速しても姿勢を乱さず、しっかりと頭に描いたラインをトレースしていく。

残念ながら、新しいランボルギーニの旗艦モデルを終始雨が降るウェット路面でしか味わえなかったが、さらなる速さとそれを使いこなせそうな安定感の高いシャシーと制御技術が備わっていることが垣間見られた。その速さは少なくともウェットにおいては富士スピードウェイでも持て余すほど。とにかく圧巻だった。

文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=ランボルギーニ


■ランボルギーニ・レヴエルト
駆動方式 ミドシップ縦置きエンジン+モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4947×2033×1160mm
ホイールベース 2779mm
トレッド 前/後 1720/1701mm
車両重量(前後重量配分) 1772kg(前44:後56)
パワートレイン形式 V型12気筒DOHC48V+前2、後1モーター
総排気量/ボア×ストローク 6499cc/95.0×76.4mm
最高出力 エンジン(モーター) 825ps/9250rpm(前190ps×2/後150ps)
システム総合出力 1015ps
最大トルク エンジン(モーター) 725Nm/6750rpm(前-/後150Nm)
変速機 横置きデュアルクラッチ式8段自動MT
サスペンション形式 前後 ダブルウィッシュボーン+コイル
ブレーキ 前後 通気冷却式カーボンセラミック製ディスク
タイヤ 前/後 265/35R20 99Y/345/30ZR21 111Y
車両価格 約6000万円(税別)~

(ENGINE2024年9・10月号)

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