還暦の記念にブルックランズ・グリーンのボディが美しい1987年式のジャガーXJ6を買ったエンジン編集部員の荒井のちょっと古いジャガーの長期リポート。ともに過ごした5年を振り返ってみた。
その組み合わせは大丈夫なのか?
2018年12月に還暦となり、その記念として2019年9月に1987年式ジャガーXJ6シリーズIIIを購入した。 2020年には音楽家、加藤和彦さん(故人)が愛したジャガーEタイプを取材するために、買ったばかりのジャガーXJ6で京都を訪ねた。
また、同年11月には1992年式のジャガーXJSコンバーチブルを増車、ちょっと古いジャガー2台体制となった。自動車ジャーナリストやカメラマン、さらにはクルマ好きの友人まで「その組み合わせは大丈夫?」と口を揃えて言うけれど、この2台体制は2024年8月現在まで続いている。2024年7月末にジャガーXJ6が3回目の車検を受けたのを機に、ここではジャガーXJ6とのこれまでの日々を報告したいと思う。
新東名でドナドナ最初のトラブルはお伊勢参りのために新東名高速を走っていたときに発生した。電圧計の針が12Vを下回ったので「遠州森町」PAに入ったところ、エンジンがかからなくなった。オルタネーターが壊れてバッテリーの電気がカラになったのである。愛車は保険会社が用意した積載車に積まれ、専門店へ向かった。
専門店によると、オルタネーターを交換するためには、エアコンのコンプレッサーを外す必要があり、チェックをしたらこれも交換の必要があるという。パーツはないと言うので、自分でオルタネーターとコンプレッサーをインターネットで見つけ、それらをアメリカから輸入した。パーツ代と工賃で約20万円。いきなり手のかかるヤツだったのである。買ったばかりだったせいか、故障したことよりもそれをクリアした喜びの方が大きく「よし、これでまたしばらく乗れる」と思った。 エキマニにヒビが入った次の大きなトラブルは2022年に2回目の車検を受けたときに発見された。「リア側のエキゾーストマニホールドにクラックが入っていて、これでは車検が通りません。パーツも手に入れることは難しいです」衝撃的なメールを専門店から受けたときは、もはやこれまでと思ったけれど、高温に耐える鉄セメントでクラックを埋めるという応急処置で車検を通してもらった。とはいえ、ラジエター・ホースやパワステ・ホース、さらにはリア・サスのメンバーマウントの交換など、車検代金は68万2640円に達した。 それでも美しく輝くブルックランズ・グリーンのボディに目を細めてしまうし、運転席に乗りこめば、磨き上げられた木目パネルとマグノリア・レザーのシートに溜息をついてしまう。なんてエレガントなサルーンなんだろうと。さらに上質でしなやかな乗り心地を味わえば、手放せないなあと思ってしまうのだ。そんな陶酔の日々が続いたのは、3回目の車検を迎える直前までだった。ちょっと古いジャガーはさらなるトラブルを迎えるのである。
◆この続きは後篇で!
文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正
(ENGINEWEBオリジナル)
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