2024.10.13

CARS

悪路性能、頂上決戦! 日本代表トヨタ・ランドクルーザー250 vs 世界選抜ジープ・ラングラー&ランドローバー・ディフェンダー 本格派ゆえ心して乗るべし!!

実力・人気・伝統の三拍子そろったクロスカントリー4WDのワールドカップ!

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日本での人気を受けラインナップを拡充したディフェンダーと、新型に切り替わったジープ・ラングラー。この2台の歴史あるオフローダーに挑むのは、日本が誇るランドクルーザー・シリーズの新作250だ。高平高輝はこの日英米の3台に富士の裾野で試乗して、何を考えたのか。

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世界の果てでも生きている

外国の路上で、めったに見かけない日本車に遭遇するとそれだけでなんとなく嬉しい。頑張れよ、と声をかけたくもなる。だがランドクルーザーだけは、ほっこりするどころではなく、「どうぞご無事で」というしかない過酷な状況に置かれていることが多い。

若手の頃はWRC(世界ラリー選手権)の取材でケニアなど、いわば世界の中の新興国に出かけたものだが、インフラが整っていないそのような国では、とことん酷使されるのがランクルである。おそらくはトラックや乗り合いバスに仕立て直されるであろう“骨と皮”だけ、つまりフレームと運転席だけになったランクル(アフリカでは70と150プラド系およびそれ以前のモデルがほとんどだ)も何度となく見かけたものだ。

地球上のあらゆる地域で、本当にかわいそうになるぐらい酷使されたあげく、たとえボディは朽ち果てても、生まれ変わってまた人々の生活の役に立つ。それに応えるのがトヨタ・ランドクルーザーなのである。

ランドクルーザー250のラインナップは試乗車の2.8リッター直4ディーゼルと2.7リッターの直4ガソリン。前者は5人ないし最後列がフラットに格納できる7人乗り仕様があり、後者は7人乗り仕様で6段ATとの組み合わせとなる。


念のために復習しておくと、1951年のトヨタBJ型ジープを起源とするランドクルーザー・シリーズは現在まで70年以上にわたって作り続けられてきたトヨタの代表車種である。

ランドクルーザーの車名に変更されたのは1954年からで、ということは1955年発売のクラウンや1966年デビューのカローラよりも歴史は長い。途中で豪華な旗艦ステーションワゴン(50系/現在の300系)とヘビーデューティーな40系(後の70シリーズ)に枝分かれし、さらに1985年に別建てとなった70系ワゴンから進化して1990年に名称変更されたのがライト・デューティーと位置づけられるランドクルーザー・プラド・シリーズである。

新型250はこのプラドの後継モデルに位置付けられるが、原点回帰をキーワードにランドクルーザー3車種の立ち位置を明確にすべく開発されたという。



ランドクルーザー一族はこれまでに世界170カ国に導入され、年間30万台以上を販売(直近では36万台弱)、累計台数は1151万台を超えるという。しかも販売台数の9割が海外市場向けである。

世界一の自動車メーカーであるトヨタにはカローラやRAV4といった単一銘柄で年間100万台以上のセールスを誇る人気モデルもあるが、SUVの隆盛に伴って「本物っぽくてカッコいいよね」と世の中の目がランクルに向けられるずっと前から、世界各地で黙々と働き続け、結果として世界中でトヨタの評判を築き上げたのは間違いなく「ランクル」であると私は思う。



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