2025.05.10

CARS

「440kgのウェイトとスズキ製658ccの、毎日味わいたい非日常感」と関耕一郎(モータージャーナリスト)が歓喜したクルマとは? 上半期の注目輸入車5台にイッキ乗り!

関耕一郎さんが乗ったのは、ケータハム・スーパーセブン600、アストンマーティン・ヴァンテージ、ミニJCWカントリーマンALL4、アバルト500eツーリズモ・カブリオレ、ボルボ EX40ウルトラ・ツイン・モーターの5台

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ボルボ EX40ウルトラ・ツイン・モーター「実用車として文句なし」

今回試乗した5台の中で『100年に一度の変革期』をもっとも感じさせるのが、ボルボEX40だったのは間違いない。

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いち早く完全電動化へ舵を切ったメーカーの、前後にモーターを積む小ぶりのクロスオーバー。加速は力強く、0-100km /hタイムは2.1t超のSUVとは思えない4.8秒とか。同じCセグメントのエンジン車なら、VWゴルフRやアウディS3といったパフォーマンス・モデルで4.7秒。まさに、モーター特有のトルク特性の賜物だ。

ボルボ EX40ウルトラ・ツイン・モーター

これがほぼ無音で展開されるので、落ち着いた走りと相まって、1クラスも2クラスも上のクルマかと錯覚する。

車間維持での自然な車速コントロールも、緻密な制御が効く電動パワートレインの利点で、自動運転との相性もよさそう。ついでにエネルギー回生までしてくれて、5時間走り回っても電池残量はまだ20%弱ある。実用車として文句なしだ。

操作の多くが画面経由なのも今風だが、せめて運転中も回生を調整しやすいパドルかスイッチはほしい。それが変革できていない人間の、ささやかな要望だ。

「目が離せない」関耕一郎から見た、いまのガイシャのここがスゴい!

自動車メディアの裏方を務めつつ、92年型和製スポーツと06年型ドイツ製セダンとのトリオで日々過ごしている。一生の相棒と決めた92年型の負担を減らすため、仕事の足として手に入れた06年型は、新車時の走り味が忘れられなかったクルマなのだけど、購入の決め手は手頃なサイズのFRセダンという点。日本ではレッドリスト入りだが、世界ではまだまだ健在なカテゴリーだ。

現在の日本は、魅力的な国産車もありながら、関税がなく比較的手軽にガイシャも選べる、クルマ好きにはうれしい多様性社会なのかもしれない。今回は、ピュアスポーツや高級GTから、小粒で元気なEVまで、日本車がカバーしていないジャンルのクルマに多く接した。最新のガイシャたちが見せてくれたのは、ラストスパートをかけるエンジン車と、マージンを削ってでも全力アピールしたいEVが本気で取っ組み合うバチバチの最前線。これは目が離せない。

文=関 耕一郎

(ENGINE2025年4月号)

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