2025.06.13

CARS

「自分は大丈夫」が一番危ない! 止まらない逆走事故はなぜ起きる? どう防ぐ?

高速道路での逆走事故が連日のように報道され、大きな社会問題となっている。逆走事故によって尊い命が奪われるというケースも発生している。今回は、なぜ逆走事故は起きてしまうのか、逆走事故を防ぐために私たちができることはあるのかを解説する。

一般道や高速道路でよくある逆走のパターン

高速道路や一般道で逆走車が走行していたニュースや逆走事故の報道を見聞きすると、「なぜ、逆走をしてしまうのだろう」と疑問に思うドライバーも多いだろう。

一般的に、道路を逆走してしまうケースには、いくつかの典型的なパターンがある。例えば、道幅が広く進みたい方向に向うためにUターンをして進行方向とは逆の方面に走行してしまうケース。また、交差点のような道路形状によって、逆走であることに気づきにくいパターンもある。その他にも、カーナビの指示に従って右方向に進んだ結果、逆走してしまうということもある。



このように逆走してしまう理由はさまざまだが、近年では逆走であることを知らせる標識や表示が増えているため、その場の映像や静止画を見ると、「逆走するはずがないだろう」と思うドライバーが大半だろう。

しかし、逆走は今日もどこかで発生している。では、どのようにすれば、逆走を防ぐことができるのだろうか。

逆走しないようにする方法とは?

逆走を防ぐためには、逆走を防ぐための標識や表示をいち早く見つけることが重要だ。先に述べたように、近年、逆走が発生しやすい場所には、逆走を防ぐための標識や表示が設置されている。そのため、この標識および表示にいち早く気づくことができれば、防ぐことができるだろう。

しかし、現実は、道路に設置されている標識や表示を見つけられないドライバーが多い。そのため、逆走が減少していないと考えられる。

では、なぜ、あれほど目立つ「逆走」の標識や表示を見落としてしまうのだろうか。



その理由の1つとしてあげられるのが、ナビを頼りに運転しているドライバーが多いということが挙げられる。

クルマに装備されているナビゲーションやスマホナビなど、今やナビは当たり前の装備だ。また、目的地によってはナビなしで運転することができないというドライバーもいるだろう。このナビばかり注目してしまうクセが標識や表示の見落としにつながっている可能性が高い。

ここで勘違いしないでいただきたいのは、ナビを設定せず、ナビ画面を一切見ず、音声案内もオフにして運転しろということではない。クルマに装備されているナビやスマホホルダーに取り付けたナビ機能は有効に利用してほしい。ただ、ナビの案内に加え、道路に設置されている標識や表示などにも目を向け、進むべき方向や道路形状などを把握するよう努めてもらいたいということだ。



標識や表示を見るようになると、道路形状を事前に把握できたり、進むべき方面がわかったり、通行できる道路や進行方向をあらかじめ把握することができたりする。

ナビの中には、ナビ画面に標識などを表示させる機能がある。しかし、その表示が最新のものとは限らない。最新の標識や表示は、その場に設置されている標識や表示だ。また、道路工事などによって標識や表示が日々変化することもあるため、ナビ画面に表示される標識などを過信するのは危険といえるだろう。

このようなことからも、運転するときはナビだけでなく、道路に設置されている標識や表示にも目を向けるクセをつけておくことが、道路を安全に走行したり、逆走を防いだりするために必要なことだといえるだろう。

当たり前のことができないドライバーが増えている?

日頃から標識や表示、道路状況など、さまざまな場所に目配りや気配りをして運転しているドライバーからすれば、「標識や標示を見るのは当たり前」と思うだろう。



しかし、カーナビ・スマホナビがあるのが当たり前の世代のドライバーや、ナビ通りに運転することに慣れてしまったドライバーの中には、「ナビが正しく、ナビ通りに走ることが最善」と考えているドライバーも多い。このようなドライバーは、ナビばかりに注目してしまい、標識や表示を見落とす可能性が高くなる。

悲惨な事故をなくすためにも、クルマを運転するときは、ナビだけでなく、標識や表示も見て運転するという基本に立ち返ることが逆走を防ぐ第一歩といえるのではないだろうか。

文=齊藤優太(ENGINE Web)

(ENGINE Webオリジナル)

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