2025.07.04

CARS

戦闘力がさらに増した「トヨタGRヤリス・エアロ・パフォーマンス・パッケージ」がギリシャで欧州デビュー

WRCアクロポリス・ラリーで欧州初お披露目となったトヨタGRヤリス・エアロ・パフォーマンス・パッケージ。

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トヨタが、GRヤリスの一部改良とあわせて公開したエアロ・パフォーマンス・パッケージ。今秋の発売が待ち遠しいオプションである。

WRCの現場でお披露目


その装着車両が6月26〜29日にギリシャで開催された、WRCアクロポリス・ラリーの会場で欧州デビューを飾った。



全6点のパーツの詳細が発表済みだが、装着車両の画像を確認しつつ振り返ってみよう。



まずダクト付きアルミ・フードは、全日本ラリー選手権の参戦マシンで先行開発。2022年に500台限定で販売されたGRMNヤリスのカーボン・フードと同形状で、高速走行中にエンジン・ルーム内の熱を放出し、冷却効果を高める。

狭いスペースに発熱量の多い高出力ターボ・ユニットを詰め込んでいるだけに、放熱性の改善は普段使いでも信頼性や耐久性の向上に寄与するはずだ。



スーパー耐久シリーズ(S耐)で学んだという高次元の空力バランスを目指したというのが、フロント・リップ・スポイラーだ。車体のリフト発生を抑え、空力のトータル・バランスや前輪接地感を改善する。当初は想定していなかったが、大嶋和也選手の助言を受けて追加されたアイテムだ。



フェンダー・ダクトは、前輪ホイール・ハウス内の空気を後方へ放出。ノーズ・ダイブ時のステアリング・フィールや、コーナー入り口での操縦安定性を高めるという。

燃料タンク・アンダー・カバーは、下部をフラットにするS耐マシンの安全燃料タンクに着想を得た。アンダー・ボディの気流を最適化し、空力に効く形状だ。



可変式リア・ウイングは、走行シーンに合わせた角度調整が可能。高速域の操縦安定性のみならず、制動時に車体が左右に揺れるスネーキングの抑制にも効果を発揮する。



リア・バンパー・ダクトは、走行風をバンパーが受け止めて抵抗となるパラシュート効果を抑制し、Cd値を低減。S耐のレース中に、空力負荷でリア・バンパーが外れた経験を生かして開発された。

先日実施された改良は、足まわりや操舵系の再チューンと、ボルトの変更など地味な内容だったが、ドライビング・フィールは格段に高まった。それだけに、このエアロ・パーツのパッケージも、効果を実感できるものになることが期待される。



残念なのは、“RZハイパフォーマンス”と“RC”グレードへのメーカー・パッケージ・オプション設定であること。



既存車両の後付けや、個別装着への対応について現時点では不明だが、すでに車両を購入しているオーナーのニーズにも、応えるものとなって欲しいところだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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