2025.07.18

CARS

ルノー4がレスキュー車に? テックイベントに登場した「ヴィジョン4レスキュー」はドローン搭載

小型ドローンをルーフ・ボックスに収納可能!

全ての画像を見る
ルノー・グループやダッソー・システムズなど6社が参画する、モビリティ開発共同体のソフトウェア・リパブリックが、ルノー4 Eテック・エレクトリックをベースにした「ヴィジョン4レスキュー」を発表した。

こんなクールな装いのルノー4が森林火災のレスキュー車?


パリで開催されたテックイベントのビバ・テクノロジーに登場したそれは、消防活動での使用を想定した新技術のショーケースだ。



フランスではこの15年で、自然災害がじつに5倍に増加し、全市町村の2/3が、何らかの大きな自然災害を経験しているという。そうした事実への危機感から、救助と救急の連携を改善し、より効率化する技術的ソリューションが求められている。ヴィジョン4レスキューは、それに対するソフトウェア・リパブリックの回答だ。

フランス全国消防士連盟、パリ消防局、イヴリーヌ消防団の協力を得て開発されたそれは、予想/行動/伝達という3つの点から問題解決を図るさまざまなテクノロジーが詰め込まれた。



車体サイズは全長×全幅×全高が4140×1800×1570mm、最低地上高は181mmというクロスオーバー的なボディは真紅に塗られ、前後は黄色と黒の警戒色でマーキング。短距離用の小型ドローンを収納できるルーフ・ボックスは、ドローンの離着陸ステーションとしても機能する。



たとえば山林火災などの際、まずは長距離用の大型ドローンが現場の位置を大まかに把握した後、ヴィジョン4レスキューへ5G通信で伝達する。そのデータをもとに現場近くへ到着すると、ヴィジョン4レスキューから小型ドローンを飛ばしてより詳細な状況を収集し、420リットルと広めの荷室に搭載した端末で処理・分析。実働部隊へその情報を提供することで、効率のいい効果的な消火活動を実現する。



また、市街地での火事や事故、救急が必要な際には、街角に設置された通報用端末から要請すると、ヴィジョン4レスキューが出動。C-ITSを活用して信号を調整したり、小型ドローンで交通状況をモニターし、渋滞を回避して素早く現着したりすることが可能になる。



地球規模での増加傾向にある山林火災や、渋滞や路上駐車に妨げられての現着遅れなど、消防や救急が抱える課題の対策は、世界的に求められており、企業の垣根を超えた先進技術を駆使しての解決案は、フランスに限らず有効だろう。と、マジメにまとめながらも、レスキュー仕様のルノー4や、ルーフ・ボックスから発着するドローンといったギミックに萌えてしまったことを、正直に告白しておきます。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
タグ:

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement