2025.08.26

CARS

1万回転に迫る! 新型ランボルギーニ・テメラリオV8ハイブリッドをポルトガルで体感する【動画あり】

ランボルギーニ第2のHPEVとして登場したテメラリオ。そのステアリングを握り、エストリル・サーキットで新型V8ツインターボを全開に。1万rpmに迫る加速、ドリフトモード、そして軽量仕様「アレジェリータ」の走りまで──進化の本質に迫る試乗リポートだ

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テメラリオ、本当の姿を現す!

2週目以降は、先導車はペースを上げ、走行モードは「Sport(スポルト)」や「Corsa(コルサ)」をセレクトしてペースを上げて走る。ここでテメラリオの本域が徐々に現れはじめてきた。

搭載するパワーユニットは、4リッターV8ツインターボ・エンジンと3基の電気モーターを組み合わせたハイブリッドシステムだ。フロントに2基、リアに1基を備えるモーターが、システム合計出力を920psにまで引き上げ、0→100km/h加速2.7秒、最高速度343km/hという驚異的なスペックを実現する。

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まず、感じたのはボディ剛性の高さだ。エストリルの高速S字コーナーに躊躇なく飛び込んでも一切のよじれを感じず、ラインは思い通りに描くことができる。技術のプレセンテーションでは、新しいアルミスペース・フレームはウラカン比でねじり剛性を20%以上高めていると言っていたが、ボディ全体が引き締まった印象は、明快に実感することができた。

そして何より印象的だったのは、駆動力を左右に振り分けるトルクベクタリングの効果だ。ミドシップ車にありがちなフロントタイヤの荷重不足から鼻先が外へ逃げる感覚はなく、コーナーでは驚くほど素直に向きを変えてくれる。パッシングポイントでもある第6コーナーのヘアピンへある程度のスピードで侵入しても怖さよりも安心感が勝ち、むしろもっと攻めたくなる。予想外の挙動に振り回されることもないから、自信を持って走れるのだ。

これは、新世代の統合制御システムとフロントモーターの緻密な協調が大きく寄与しているが、これこそがテメラリオの進化を象徴する部分だろう。これまでのランボルギーニを知る人ほど、その変化に驚くはずだ。私自身、日本に戻ってからウラカンを改めて試乗する機会があったが、テメラリオとの違いを一層鮮明に感じ取ることができた。




一頭の咆哮から群れの轟きへ

最終コーナーを立ち上がり、メインストレートに飛び込み、アクセルをフルに踏み込む。ターボのブーストとモーターのアシストが一斉に加わり、背中を強く押されてシートに体が沈み込む。タコメーターの針は瞬く間に8000、9000rpmへ駆け上がり、排気音は低回転域の重低音から高回転域の鋭い金属音へと変化し、音の圧力も一段と強まっていく。

自然吸気V10を積んだウラカンが、一頭の巨大な猛牛が咆哮し恐怖すら覚える存在感だとすれば、V8ツインターボに前2基・後1基の電気モーターを組み合わせたテメラリオは、猛牛が群れとなって一斉に襲いかかるような迫力と言えば伝わるだろうか? 「一頭の圧倒的な力」と「群れの組織的な力」。どちらも鬼気迫るものがあるが、サウンドに関しては結局のところ好みの問題であり、優劣を論じるべきではないかもしれない。


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