2025.10.19

CARS

五感で味わう、レクサスの哲学 没入型イベント「LEXUS-五感で感じるLEXUS体験」で見えた人とクルマの新しい関係

レクサスが提唱する「体験としてのラグジュアリー」を五感で味わう。10月1日に開催されたブランドイベント「LEXUS-五感で感じるLEXUS体験」では、光、音、香り、手触り、味覚が連動する演出によって、レクサスの哲学が空間そのものとして立ち上がった。1989年の北米デビュー以来、精緻なクラフトマンシップと人を中心に据えた設計思想を磨き続けてきたレクサス。その本質を「走りの楽しさ」や「時間の豊かさ」として体感させる、没入型プレゼンテーションとなった!

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10月1日に開催された「LEXUS-五感で感じるLEXUS体験」は、レクサスが掲げる体験としてのラグジュアリーを五感で体感できる新しいブランドイベント。

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光、音、香り、手触り、味覚が連動し、まるでレクサスの哲学そのものが空間として立ち上がるような演出がなされていた。




感性が主役になる、新しい走る歓び

1989年、北米でのブランド・スタート以来、レクサスは精緻なクラフトマンシップを磨き、人を中心に据えた設計思想を貫いてきた。今回のイベントは、その理念を感覚の領域で具現化した没入型プレゼンテーションだ。「走りの楽しさ、クルマと過ごす時間の豊かさをあらゆる瞬間で感じてほしい。それがレクサスが守り続けてきた本質です」。広報部長の鵜澤氏の言葉とともに、イベントは幕を開けた。

展示の中心を飾ったのは、新型RZと新型ES。RZはシステム総合300kWの高出力を誇る電動SUVで、「EVならではの静けさの中に鼓動を宿す」走行体験を追求する。一方、新型ESは「ストレスフリーで上品、そしてエレクトリカル」と語られ、ハイブリッドとBEVの2タイプを展開。チーフデザイナーの熊井弥彦氏は「セダンのDNAを守りながら、次世代のエレガンスを表現した」と語り、プレゼンテーションと並行して氏によるライブスケッチも行われた。





また「音がなくなると、ドライバーはクルマとの一体感を失う」と語られ、EVの静寂性の再構築に挑むレクサスは、走行状態に呼応して音が変化するサウンドシステムを開発。RZは、ステア・バイ・ワイヤによる操作感と連動し、ハンドルの動きや加速に合わせて音が響くという。静けさの中に音を奏でる運転体験を生み出す、それがレクサスの新しいアプローチというわけだ。

さらに「インタラクティブ・マニュアルドライブ」では、電動車でありながら擬似的にシフト操作ができる新体験を開発。「自分の意思で変速を操る感覚をEVでも感じてほしい」と開発責任者は語った。電子制御の先に、人の手の感覚を取り戻し、運転を再び身体的な喜びへと導こうとしている意図が読み取れる。

五感を包み込む「おもてなし」の空間

会場に置かれたもう一台のESでは、オリジナルの香りが車内を演出する「センサリー・コンシェルジュ」の体験も行われた。晨明(SHINMEI)、恵風(KEIFU)、青陽(SEIYO)、天光(TENKO)、半夜(HANYA)と名付けられた五つの香調が、パッセンジャーを穏やかに包み込んでくれる。






そしてミシュラン二つ星レストランの京都・美山荘とのコラボレーションでは、同店が誇るスイーツ「杉薫水羊羹」をアレンジしたオリジナルスイーツと、それに合わせて粽笹(ちまきざさ)の香りのする水が振る舞われた。食とクルマという異なる世界を結びつける発想は、まさにレクサスが掲げる総合的なおもてなしの具現化といえるだろう。まさに、クルマの枠を超えたおもてなしの哲学そのものだ。

技術と感性が融合する、未来のラグジュアリー

プレゼンテーションの終盤、チーフエンジニアの千足浩平氏から再度語られたのは「私たちは電動化を目的とは考えていません。技術と感性を融合させ、人の心を動かす体験を創りたい」という想い。テクノロジーが主役となりつつある時代に、レクサスは再び人の感覚に焦点を当てたのだ。

「LEXUS-五感で感じるLEXUS体験」は、単なる自動車発表会ではなく、感性の時代におけるラグジュアリーの原点を提示する場であった。そこには走ることを超えた、人とクルマの新しい関係……その答えを、レクサスは静かに提示してみせた。



文=佐藤 玄(ENGINE編集部) 

(ENGINEWebオリジナル)
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