トヨタは、ランドクルーザーの新たなラインナップ「ランドクルーザー“FJ”」を世界初公開した。ジャパン・モビリティ・ショー2025(JMS2025)で展示され、2026年年央頃に日本での発売を予定している。
新しいランドクルーザー“FJ”は「自分らしく楽しむ自由」という価値がある
ランドクルーザー“FJ”は、「もっと多くのお客様にランクルを楽しんでいただきたい」という思いから、人々の生活を支える「信頼性・耐久性・悪路走破性」に、自分らしく楽しむ自由「Freedom & Joy」という新たな価値を付与したモデルだ。

新しくランドクルーザーファミリーの仲間入りをする「FJ」は、次の3つがポイントとなっている。
1.ランドクルーザーが受け継いできた伝統とモダンを統合させた内外装デザインと機能性を追求したパッケージ
2.ランドクルーザーにふさわしい「悪路走破性と機動性」と「コンパクトだからこその気軽さ軽快さ」を両立
3.「どこにでも行きたくなる」カスタマイズ
サイコロをモチーフとしたエクステリアとインテリア
エクステリアは、歴代ランクルが重視してきた居住性と積載性を考慮したスクエアなキャビンを意識したシルエットを踏襲している。

また、サイコロをモチーフとした直方体ボディと角をそぎ落とした面取り構成で、無駄のない強い塊感と楽しさを表現しているのもランドクルーザー“FJ”の特徴だ。
フロントとリヤは、力強さを感じられるバンパーと張り出したフェンダーで構成され、引き締まったシンプルなボディと相まって安定した印象となっている。

フロント・リヤのコーナーバンパーは、取り外し可能な分割タイプとなっているため、壊れた部分のみ交換することが可能なだけでなく、個性的なカスタマイズをすることもできる。
インテリアは、移動の楽しさを体験できる室内を目指し、車両姿勢がわかりやすい水平基調のインストルメントパネルとしている。

また、視点移動が少なくなるよう機能を集約したモニター、スイッチ類、自然な操作ができるシフトノブなど、さまざまな環境で運転するときに素早く操作できるコクピットレイアウトとしているのもポイントだ。

カウルとインストルメントパネルは、オフロードとオンロードの走行に対応するため低く設計されている。これにより、見通しのいい前方視界を実現。加えて、悪路でも路面を見下ろしやすいように、ベルトラインを低くしているのもランドクルーザー“FJ”のポイントだ。

安全機能は、プリクラッシュセーフティなどの先進機能を付与した予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を採用。より安心な運転をサポートする。
扱いやすさとランドクルーザーらしさを融合させた“FJ”
ランドクルーザー“FJ”は、グローバル展開されるピックアップトラックや多目的車「IMVシリーズ」(IMV:Innovative International Multi-purpose Vehicle)で鍛えたプラットフォームを活用した地上高やアプローチアングルを確保している。

また、“70”シリーズと同等のホイールアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)により、ランドクルーザーにふさわしい優れた悪路走破性を実現。
ホイールベースは、“250”シリーズと比べると270mm縮小され、最小回転半径を5.5mとしている。この取り回しの良さやオフロードでの機動性により、ランドクルーザーファミリーに新たな魅力をもたらしている。

さらに、床下へのブレース追加、ボディの高剛性化により、優れた操縦安定性を確保。開発する際には、オフロード試験にて弱点を徹底的に洗い出し、ランクルネス(信頼性・耐久性・悪路走破性)をつくり込んでいる。
純正カスタマイズも充実!楽しめるランドクルーザー「FJ」
ランドクルーザー“FJ”には、今後カスタマイズの楽しさを広げるオプションを導入する予定だ。
各種カスタマイズアイテムは、地域ごとに採用の有無や内容が異なるが、モデルライフの中で順次導入される。主なカスタマイズは次のとおりだ。

・歴代のランクルを彷彿とさせる丸目型ヘッドランプ
・アウトドア用品などを取り付けられるモールパネル
・ランクルらしい「どこへでも行く」オフロードスタイルを支える堅牢な外装や機能アイテム
これだけ欲しい!人やモノを運べる電動モビリティ!
ランドクルーザー“FJ”と同時に発表されたのが、人とモノを運べる電動パーソナルモビリティの「LAND HOPPER(ランドホッパー)」だ。なお、ランドホッパーは現在開発中で、発売されるかどうかは未定となっている。

この新しい電動パーソナルモビリティは、ランドクルーザーでたどり着いたさらにその先のトレイル(山や森の中にある主に未舗装路の小道)などのオフロードの楽しさを体感でき、日常の普段使いにととまらず、クルマのラゲージに積載して旅先でのツーリングなど移動の楽しみを拡大するアイテムだ。
ランドクルーザーオーナーだけでなく、SUVユーザーやアウトドア好きの中には、このランドホッパーだけ欲しいというユーザーもいるのではないだろうか。
新しいランドクルーザー「FJ」の主なスペック(プロトタイプ)
ランドクルーザーファミリーに加わる“FJ”の主要スペックは以下のとおりだ。

【ランドクルーザー“FJ”主要諸元(プロトタイプ)】
・全長:4575mm[-350mm]
・全幅:1855mm[-125mm]
・全高:1960mm[+35mm]
・ホイールベース:2580mm[-270mm]
・乗車定員:2列シート5人乗り
・エンジン:2.7リッターガソリンエンジン(2TR-FE)
・駆動方式:4輪駆動(パートタイム4WDシステム)
・トランスミッション:6 Super ECT(電子制御6速オートマチック)
・最高出力:120kW(163PS)
・最大トルク:246Nm
※[ ]の数値はランドクルーザー“250”(2.7リッターガソリン車)との差
「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」ランドクルーザー
ランドクルーザーは、トヨタBJ型として1951年に誕生し、直後に自動車として初めて富士山6合目の登山に成功したという歴史を持つ。
このときから、ランドクルーザーだからこそ行き来できる場所で、さまざまな人々の安全と安心を提供するという使命を負っている。
その後、世界中のユーザーに育てられたり、鍛えられたりすることで「どこへでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」として認められるようになった。

ランドクルーザーは、高い信頼性・耐久性・悪路走破性の継承と進化を続けながら、現在までに190を超える国と地域で、累計1215万台を販売。世界中の人々の命や暮らしを支えてきた。
現行のランドクルーザーは、最新技術を導入したフラッグシップのステーションワゴン「“300”シリーズ」、高い耐久性と整備性でワークホースを担うヘビーデューティモデル「“70”シリーズ」、生活と実用を支えるという原点に回帰し2024年に誕生したランクルの中核モデル「“250”シリーズ」の3つのシリーズを展開。そして、2025年に楽しめるランドクルーザー「“FJ”シリーズ」が公開された。

新しいランドクルーザー“FJ”は、10月30日から開催されるジャパン・モビリティ・ショー2025で見ることができる。
文=齊藤優太(ENGINE編集部)
(ENGINE Webオリジナル)