2025.12.16

CARS

EVになっても守り抜かれたアウディ伝統の味!熟成を重ねた最新型「RS e-tron GT パフォーマンス」に箱根のワインディングで試乗

最新型アウディ「RS e-tron GT パフォーマンス」に箱根のワインディングで試乗した。

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アウディの電動グランツーリスモ「e-tron GT」が大幅改良を受けて生まれ変わった。その頂点である「パフォーマンス」モデルに、自動車ライターの大谷達也が試乗した。

限界的なドライビングでも落ち着いてドライブできる

私はEVで走るワインディング・ロードが苦手だ。

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ご存知のとおり、巨大なバッテリーを搭載するEVは、そもそも車重が重い。車重が重ければ慣性力も大きくなり、タイヤのグリップ限界を超えたときにコントロール不能な状態に陥る恐れが高まる。そんな恐怖心と戦いながらコーナリングを楽しむのは、決して容易なことではない。

バッテリー容量は105kWh。従来型に比べて12kWh増加した一方で、バッテリー重量は9kg削減された。

フロア下にバッテリーを搭載する低重心設計が、かえってコーナリング中の恐怖心をあおるケースだってある。そこそこのペースで走るEVは確かに安定している。

でも、どのくらいまでペースを上げると危険領域に入っていくのかが分かりにくいケースも少なからずある。しかも、低重心ゆえに荷重移動の効果を実感しにくいというのも、EVに苦手意識を持ってしまう理由のひとつ。

だから、よっぽどのことがない限り、EVで走るワインディングロードは“腹八分目”どころか“腹六分目”程度と決めているのだ。

しかし、アウディRS e-tron GT パフォーマンスで走る箱根のワインディングは違った。

一充電走行距離は、約20%増の631km。前後のモーターで4輪を駆動する。

モデル名の頭に“RS”がつくe-tron GTはシリーズ最強のハイパフォーマンス・モデル。それだけに、従来型は足回りにソリッドな印象がつきまとったが、新型はこの傾向がすっかり消えて、スタンダードなe-tron GTと見紛うばかりのしなやかな足回りに生まれ変わった。

おかげで、路面のうねりにタイヤが滑らかに追随する印象がさらに強まり、荒れた路面でも常に安定したグリップを生み出してくれる。このためコーナリング中に進路が乱されることは皆無といってもいいくらいだ。

コーナーではステアリングを一度切り込めば、その舵角を保ったままクリアできる。つまり、限界的なドライビングでも落ち着いてクルマをコントロールできるのだ。

コーナリング中のロール感に腰高なところがなく、ボディが路面を舐めるようにして走るのも安心感を生み出すポイントのひとつ。

また、加減速によってボディーのピッチ角を調整しやすいうえ、これによって起きるタイヤの接地圧の変化がステアリングなどからしっかり伝わってくるのも嬉しいポイントだ。

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