2019.03.20

LIFESTYLE

【人気連載】設計を依頼したのは、なんとニューヨーク在住の建築家! ”超遠距離家づくり”でかなえたブルックリンスタイルの理想の暮らしとは

リビングは日本で暮らしているとは思えないような空間だ。

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回は、ミニマリスティックな外観からは想像できないお洒落な室内。家とインテリアの完璧なマッチングは、まるでブルックリンのモダン住宅みたい。連載でおなじみの、デザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

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インテリア重視の家作り

なんとも素敵なインテリアだ。天井高3.5mの大空間にミッドセンチュリーのアメリカの家具と北欧の家具が、センス良く配されているのである。しかもアートや美術書から小物まで、置かれているのは吟味されたものばかり。海外のインテリア雑誌から抜け出したような部屋である。それもそのはず、このお宅は長くニューヨークに住んでいた建て主と、ニューヨークを拠点に活動する建築家ユニットの手によるものなのだから。

ダイニングテーブル(ハーマンミラー社のユーズド)以外、家具や照明は全てアメリカで購入した。食卓周りの椅子、プラスチック製と金属の網状の椅子は、イームズがデザインしたもの。ソファはカリフォルニアのメーカー。一方、ダイニングテーブル上の照明(PH5)や、金属製のポット類(ステルトン社)は、デンマークのもの。アームチェアと木製のコーヒーテーブルは、デンマークのグレーテ・ヤルクのデザイン。アート類は、崎野家の外観に通じる、硬質なイメージの建築モノが多い。

住んでいるのは、崎野将吾(41)さん一家。2001年から12年まで、ニューヨークでも、文化的に最先端と言われるブルックリンで暮らしていた。しかも仕事は、ファッション関係の商社勤め。今は、イギリスのアウトドア衣料として知られるバブアーなどの責任者だ。

そして崎野さんの奥様である奈美さんの友人たちの間で、「近所にずば抜けてお洒落な部屋に住んでいる」と評判だったのが、建築ユニット「タカティナ」のカワバタさん夫婦。すぐに友達になった二組のカップルだったが、「最初は、家の設計を依頼するつもりはなかった」と、崎野さんは話す。友人に頼んで、上手くいかなかった例が少なくないからだ。



ところが日本に戻ってその考えは大きく変わる。ニューヨークと東京の社宅では、住環境が大きく違ったのだ。使っていた家具を全部持ち帰ったこともあるが、家族4人で暮らすには小さかった。そこでニューヨークのロフトのような住まいの設計を、カワバタさんたちに依頼したのである。方針を変えたのは、崎野さんもカワバタさんも、アメリカと北欧のミッドセンチュリーの家具をミックスさせたスタイルが好きなこと。

「日本の住宅雑誌では、竣工後すぐの家具が何も入っていない状態を紹介するのが大多数です。ところがアメリカの住宅雑誌には、必ず家具や調度品が置かれた部屋で登場します」と崎野さんが話す通り、家具がある空間で暮らすのは当然のこと。空っぽの箱のことを考えて設計するのではなく、家具を含めた自分好みの生活空間を一番理解している建築家に、家作りを依頼したのである。

ちなみに崎野さんの家具の殆どは、アメリカ時代にネット・オークションで安く手に入れたユーズドのもの。インテリア・ショップに並べられているものから選ぶのと違い、知識とセンスが無ければ、これほど調和のとれた部屋はできあがらないだろう。



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