最初からバブル・カーにご執心なのかと思いきや、BMWのヒストリーをたどるうちに、傾倒していったという入佐俊英さん。無意識のうちに誰も到達しなかった高みに立ってしまった。
小さなクルマの大きな世界
「エンジンさんの誌面は、かなりファッション性の高いものになっていますね。自動車雑誌という雰囲気ではないので、私のクルマは、ちょっと場違いのような気もします」
![](https://images.engineweb.jp/media/article/3267062/images/e23709135171c1759a3aa01b6f21869ef655c217.jpg?w=1200)
そう謙遜しながら、我々を仕事用の正装で出迎えてくれた入佐さんは、2台のバブル・カーと呼ばれる欧州生まれの軽自動車よりも小さなコンパクト・カーを愛用している。1台はBMW 600、もう1台はカルト・カーと呼んでもいい非常に稀少なツェンダップ・ヤヌス。どちらも第二次世界大戦後に自動車の生産が限定されていたドイツ製のモデルだ。ツェンダップは戦前に誕生したオートバイ・メーカーで、ヤヌスは1957年と58年の2年間だけ製造された。映画”カーズ2”のザンダップ教授のモチーフになったクルマといえば、ピンとくる人が多いかもしれない。ガレージがあるという入佐さんの会社内で撮影させてもらうことにしたが、現場に着いてみたらガレージらしきものはなく、駐車スペースにあるのは仕事用の商用車ばかり。バブル・カーの姿はどこにもなかった。本当にここに置いてあるのかな?というこちらの不安気な気持ちを察してくれたのか、入佐さんが敷地の端を指さす。その方向には間口の狭い、バブル・カーとはいえ2台のクルマを収納できるとは思えないとても小さな建物があった。もちろん、建物には気づいていたが、まさかクルマが入っているとは思わなかったのだ。
慣れた手つきで建物の入口にある扉を外しながら、「このガレージは、自作したんですよ」と笑みを浮かべながらガレージの中を見せてくれた。その奥には2台のバブル・カーがきっちりと収まっている。小さな出入口から手慣れた手つきでまずはヤヌスを外に出し、続いてBMW 600もガレージからその姿を現した。バブル・カーといえばメッサーシュミットKR200など3輪車をイメージする方が多いと思うが、入佐さんが愛用しているのは2台とも4輪モデルだ。
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