2020.08.16

CARS

男のなかの男のクルマ! 雑誌編集者の九島辰也さんが一発でヤラレタのはドライバーが頼もしく見えるあのクルマ!!


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それはともかく、TJラングラーのメディア向け試乗会は今も覚えている。場所は千葉のオフロード・コース。かなり自由に周回路を何周も走らせてもらった。

TJが話題になったのは価格である。事前に当時のユーノス・ロードスターと同程度とアナウンスされたからだ。輸入車が200万円台前半で買えるのはニュースであった。なんたって近鉄芝浦自動車が輸入していた頃のYJラングラーは500万円はしていたからね。驚きである。

翌年、人生初のルビコン・トレイルへと旅立つ。ジープ・ジャンボリーでも難易度MAXの言わずと知れた「ジープの聖地」である。で、ここで“ホンモノ”を知る。オフロードでの走破性は半端ない。特にロック・セクションでの駆動力と前後のアングルの深さはものすごい。ツルッツルの岩肌をグイグイとトラクションを掛けて走る姿はまさに男の中の男と言ったイメージだ。どんなドライバーも頼もしく見せる。

そこからジープにさらに夢中になり、ありとあらゆる文献を読んだ。アメリカに行く機会が多かったので都度資料を買い漁って。すると、このクルマが理詰めで出来ていることがわかる。湾曲のないガラス、四隅のタイヤ、パーツ点数の少なさなどなど。それに歴史的背景も。アメリカン・バンダム社がオースチン・バンダム社であったことはあまり知られていないんじゃないかな……。

そんなこんなで、ジープに詳しくなり、日本でのディーラーマン向け解説書を何度か監修した。ジープの魅力をより多くのひとに知ってもらう機会を得た。そしてその頃ジープ・ワゴニアやYJ、TJラングラーを所有し乗り回す。2001年に立ち上げた「アメリカンSUV」という雑誌はそんな背景から生まれた。初めて編集長として関わった雑誌だ。SUVというワードが浸透していない時代、 「アメリカンサブ」なんて真顔で読まれて困ったもんだ。

あれから十数年、今は冒頭に記したように背の低いクルマばかりに乗っている。実はそれも最近飽きてきた。そう、気分はオフローダー! ヨンク復活の日は近い。かもね。

文=九島辰也


米軍小型車両をルーツに持つジープ・ラングラー。TJ型は1996年にデビューした。先代に当たるYJ型からの大きな違いは板バネからコイル・スプリングに変更されたこと。2006年生産終了。


(ENGINE2020年7・8月合併号)

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