2021.03.21

CARS

WRC好きだった高校生の頃の夢が叶った! 49年前のモンテカルロ・ラリーを走った貴重なアルピーヌA110が導いたヒストリック・フレンチの世界とは

アルピーヌA110とフォーミュラのA340、貴重なレーシング・アルピーヌが並ぶ素敵なガレージ。

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走りながら探したガレージ

「一度乗ってみたくて、1972年式のポルシェ911Tを手に入れたんです。続いてジュリアが1600ccだったので、何か他に1600ccで良いのをと思いロータス・エランS3を買って、さらに今の初代アルピーヌA110も手にいれて、3台を取っ替え引っ替えして乗っていたんです」

ちょうど甲府に単身赴任していたこともあり、村田さんはご自宅のある湘南との間を週末のたびにクルマを乗り換えて往復する生活を5年ほど送った。その道中でワインディングを楽しみながら別荘の候補地を探してまわり、今の場所に辿り着いたという。

「ガレージを建てるので平坦な土地がいいと紹介してもらったのですが、最初に見た瞬間に“おっ!”って思いました(笑)。富士山がよく見えるし、木に登ってみたら湖がドカンと見えた。これなら2階からの眺めは良いだろうって即決したんです」

当初は室内から愛車を眺められるビルトイン・ガレージを作る気でいたのだが、奥様が反対。そこで母屋の向かいに木製のユニットガレージを建てることとなったのだが、結果としてこれが正解だったと村田さんは振り返る。

「エンジンを掛けてもリビングに音が響かないし、排気臭くもならない。冬場も朝晩は寒いかもしれないけど、ストーブを炊けばすぐ温まるし、昼間は結構暖かいんです。また日当たりも風通しもいいので、壁に置いた本がよれていないことでもわかる通り、湿気もなくサビの心配がないんですよ」



アセプトジルのA110

そんなガレージの主役の1台がアルピーヌA110・1600GSだ。実はこのクルマは1972年12月にアセプトジル・チームにデリバリーされ、1973年のモンテカルロ・ラリーにパット・モス・カールソン(往年の名F1ドライバー、スターリング・モスの妹)のドライブで出場したという素晴らしい経歴をもつ、グループ4マシンである!

村田さんによると、1973年用にアセプトジルにデリバリーされたA110は3台。うち2台は1600ccのままのグループ3だったが、このクルマだけ1790ccユニットを積んだグループ4仕様となっていたという。



「手に入れた時はバルーン・フェンダーになっていました。それをアルプスで3台のA110とドライバーを並べて写真撮影をしたプレゼンテーションの時の仕様に戻そうと、4年かけてレストアしました。トゥール・ド・コルスからフェンダーが張り出してゴッティの太いホイールを履くので、この姿はプレゼンテーションとモンテカルロの時のみ。しかもこのデカールはプレゼンテーションの時だけの仕様なんです」



そんな貴重なA110を村田さんはラリーカーらしく、思う存分走らせて楽しんでいる。当然、跳ね石の小傷がつくこともあるが、走るからには当然。直そうと思えば、いつでも直せるというスタンスだ。

「色々乗ってみて、これが一番面白い。RR(リアエンジン・リアドライブ)の特性もみんな危ないっていうけど、それをわかって走れば、自分を軸に駒のようにクルッと回る。最初は怖いんだけど慣れてくるとわかりやすい、走りやすいと感じるようになります。もうこれは一生持っていたい。絶対手放しませんよ!」

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