2021.08.29

CARS

15年前にほぼ仕入れ値で譲ってもらった、ワンオーナー、走行距離2.4万km、1985年型、トヨタ・セリカXXスーパー2000GT 見ているだけで10代の頃の記憶が鮮やかに蘇る!

1985年型、トヨタ・セリカXXスーパー2000GTホワイト・リミテッドと西川淳さん。

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ちょっと古い1980、90年代のクルマは数え切れないほど売買を繰り返してきたモータージャーナリストの西川淳さん。それなのに、ほぼ購入時から時間が止まったまま、保管しているクルマがある。それがこのセリカXXだ。

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XXは自分にとってはスーパーカーだった

自分で買った初めてのクルマが写真と同型の1981年型セリカXXだった。今となっては立派に「趣味車」の一員だが、18歳の時には現行モデルで2年落ちの中古車、つまり現役バリバリ。

その12年後に自分の生活にも普段遣いとは別の存在という意味での趣味車という領域がようやくできた。ベルリネッタ・ボクサーを手に入れたのだ。最初のXXが前期型にしかない赤黒2トーンのリトラクタブル・ヘッドライトだったから、フェラーリBBへの憧れが反映されていたことは間違いない。18歳の西川淳にとって2トーン・カラーのXXは立派にスーパーカーだったのだ。

そのXXはR31スカイラインの下取りに出した。その後も売っては買いの繰り返しで、今にして思えばもったいないことをしてきたとは思うけれど、それが普通だったし、お金もなかったのだから仕方ない。

ドアを開けるのは数年ぶりだったのだが、地上から6mの高さにあるオートロマンのガレージゆえ保管状態が素晴らしく、嫌なカビの匂いなども一切ない。新車の香りすら未だ嗅ぐことができる。何せ買った当時はレースのシートカバーが被さっていた。海老茶の内装と白いボディはこの特別仕様車に専用の組み合わせだったらしい。

独立して少し余裕ができた頃、取材先でこの白いXXに出会う。今から15年くらい前のことだ。ネオクラシックという概念はまだなく、単に古いだけのクルマという扱い。初めて買ったXXが前期型の2000Gで、当時、後期型のツインカム24を見るたびに卑屈な想いになったことを思い出す。目の前にあるのは正にその仕様で、しかも当時の人気絶頂のスーパーホワイト(後期型から採用)。高齢のオーナーから買い取ってきたばかりで、走行距離わずかに2.4万kmという極上のタマ。

「これください」。速攻で店の社長に掛け合っていた。浮かれていろんなスーパーカーを買い漁っていた頃だったから、初心者時代の感動をもう一度思い出したい、などという殊勝な気持ちも少しはあった(ホンマです)。

某有名クラシックカー・ショップの社長もまさかこの年代まで後々値を上げていくことになるとは思ってもみなかったに違いない。ほとんど仕入れ値で分けてくれた。買ったあとに調べてみれば、この個体は1985年に発表された限定車で、「XXスーパー2000GTホワイト・リミテッド」という大袈裟な名前のモデルであることが分かった。



1G-Gを積んだGTをベースに輸出仕様スープラのエッセンスを取り入れた特別仕様車。ブラック・リミテッド400台と併せて合計800台しか作られていない。これはレアだ。となれば距離を伸ばすのがなんだか惜しい。でももう一度XXには乗っておきたい。悩んだすえ白いこの個体はガレージに仕舞っておくことにして、もう一台、別の赤いツインカム24(前期型の赤黒2トーン)を個人売買でゲットした。10万km走っていたそちらに乗ることにしたのだ。以来、白い個体のオドメーターはまったく伸びていない。

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