2021.08.05

CARS

「こういうクルマは新車を知っている人じゃないと直せない!」なぜならどこが壊れているかが、わからないから フランス車専門店の極上のプジョー406クーペのMTが気になって仕方がない!!

東京都江戸川区にあるフランス車を専門に修理、販売を行う原工房。

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珍しいMT仕様

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今回取材したのは、これから仕上げる予定という販売車両。206psのV6を積む中期型ながら、5段MTを搭載した超レアな02年式の並行輸入車である。

「ウチのお客さんが2人ほど乗り継いだクルマで、タイミング・ベルトやショック・アブソーバーを交換したり、結構手を入れています」

と原さんがいうように、走行10万kmとは思えないほどクルマの姿勢はシャンとしていて、機関の状態も好調。何より本国仕様の左ハンドルのMTというのが魅力的だ。

巷ではV6エンジンにトラブルがあるという噂もあるが、原さんによると奥側のバンクに熱が篭りやすく、イグニッション・コイルがパンクするケースがほとんどで、エンジン自体は基本的に丈夫だという。またタイミング・ベルトの交換は10万kmが目安で修理費は一式で約30万円。ATも頑丈だが、フロントのコンバーターとポンプのブッシュが焼きつき、キャキャキャという金属音が出たらオーバーホールが必要で、脱着工賃を含め60万円ほどで直るそうだ。

Renault Kangoo 4x4 (2008) ¥990,000 日本には正規輸入されなかったカングー4×4。原さんが乗っていた個体で、走行24万kmながら内装は綺麗。4WDのカップリング交換済み。タイベル交換など整備費込み。

一方、エアコンに関しては特にトラブルはなく、効きもいい。

「306カブリオレや406クーペはピニンファリーナの工場で作られていたので、手作り感があります。今では考えられないですが、人気のある薄青や薄緑メタリックの塗料には鉛が入っていて、発色が綺麗。セダンや、ブレークとは違います」

問題は外装パーツの欠品が多いことで、買う場合は外装の綺麗な物を選ぶことが得策である。

「こういうクルマは新車を知っている人じゃないと直せない。なぜならどこが壊れているかが、わからないからね。いい加減なクルマを売ると評判悪くなっちゃうし、メカニック上がりってウソをつけないんですよ」

と原さんは笑う。そう聞いて、ますます406クーペのことが頭から離れなくなってしまった。

文=藤原よしお 写真=望月浩彦

※リポートで取り上げた車両の在庫や価格はエンジン8月号掲載時のものです。

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Peugeot 106 Rallye 1.3 (1996) ¥2,200,000 今やコレクターズアイテムの106ラリー1.3。中でも赤は希少。しかもステアリングとシフトノブ以外はフルオリジナル! タイベル、クラッチ、足回りなどの整備費も込みだ。※在庫や価格はエンジン8月号掲載時のものです。

(ENGINE2021年8月号)

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