2021.10.30

CARS

世界最速のコンパクト・カー、新型アウディRS3デビュー サーキットでの性能に磨きを掛ける

アウディがA3のスポーツ・モデル、RS3のニューモデルを本国で発表した。すでにセダン・バージョンでニュルブルクリンク北コースでのタイムアタックを行っており、7分40秒748というタイムを記録。これは2019年に現行型ルノー・メガーヌが出したものより4秒64速く、アウディはCセグメント最速を更新したと謡う。

400psの2.5リッターを搭載

ハッチバック・モデルのスポーツバックは3代目、セダン・バージョンは2代目となる新型RS3。エンジンは従来型と同じ2480cc直5ターボを搭載している。最高出力400ps/5600-7000rpm、最大トルク500Nm/2250-5600rpm。従来型と比べると最高出力は変わらないが、最大トルクは20Nm大きくなった。0-100km/h加速は3.8秒、最高速度は250km/hに制限されるが、280km/hと290km/hに引き上げるオプションも用意されている。





新機軸「RSトルクスプリッター」で走りに磨きを掛ける

変速機はデュアルクラッチ式7段自動MT(DCT)で、電子制御油圧多板クラッチを用いたアクティブ・オンデマンド式4WDを採用している。ドライブトレインの設定も従来型と同じだ。ただし、新型はリア・デファレンシャルに「RSトルクスプリッター」と呼ばれる新機軸を搭載している。

RSトルクスプリッターは従来のような歯車式差動装置の替わりに2つの電子制御多板クラッチ式を後輪の左右軸上に1つずつ配置することで左右後輪への駆動力配分を調整する機構。直進時には均等だが、旋回時には外輪側により大きなトルクを伝達することでアンダーステアを減少させる。





セミスリック・タイヤをオプションで用意

さらに、走行モード切り替え装置の「アウディ・ドライブセレクト」に「RSトルク・リア」モードを追加。最近、この手のシステムで設定されることの多いドリフト・モードの類で、全駆動力を左右いずれかの後輪へ送り込むことでドリフト走行を容易にしている。また、オプションでサーキット走行に特化した「RSパフォーマンス」を加えることもできる。これはレーストラック専用モードで、それに合わせた専用の制御をおこなうエンジンと変速機、さらにRS3としては初めてオプション設定されたセミスリック・タイヤとともに装着される。





ドイツでの価格は約792万円から

全長×全幅×全高はスポーツバックが4389×1851×1436mm、セダンが4542×1851×1412mmで、ホイールベースはいずれも2631mm。車両重量はスポーツバック1570kg、セダン1575kgだ。

本国での販売価格は、スポーツバックが6万ユーロ(約792万円)、セダンが6万2000ユーロ(約818万円)と発表されている。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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