2021.12.12

CARS

世界に誇るニッポンのスポーツカー! スバルBRZとマツダ・ロードスターを乗り比べる!!


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今回は、そんな希有な存在であり、日本らしいともいえるロードスターと、登場したばかりの2代目BRZを乗り比べてみた。BRZはトヨタ86との共同開発で初代は2012年にデビュー。企画・デザインはトヨタ、開発・生産はスバルと役割分担されていたが、トヨタ側が狙っていたのはAE86の世界観の復活だった。誰にでも手が届くスポーツ・モデルで、チューニングがしやすく、サーキットを走り込んでもコストがかからないようターボや4WD、大径タイヤなどは採用しない。ただ、トヨタにはいつの間にかスポーツ・モデルが皆無になっていて、流用できるパーツもノウハウもなかった。そこで協業に繋がったわけだが、スバル側としては水平対向エンジン+4WDがアイデンティティであり、スポーツ・モデルならターボが当たり前。自然吸気のFRモデルを造るなんて考えたこともなかった。だが、水平対向エンジンの利点である低重心は、ターボや4WDではないことで一層強調された。協業だからこそ他にはない重量配分に優れたFRスポーツが生まれてきたのだ。



エンジンは2リッターから2.4リッターへと排気量アップ。従来型よりも速くしてきたわけで、トヨタ的には洒落が効いていたボア×ストローク=86×86mmではなくなってもいる。2リッターのままでも良かったのでは? と思いつつ走りはじめてみたが、決して過剰ではなく、バランスの良さはあいかわらずだった。

まず感心するのは車体全体がしっかりしていること。SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)で養った知見を用いてインナーフレーム構造と構造用接着剤を採用。初代に対してフロント曲げ剛性約60%アップ、ねじり剛性約50%アップを実現したというが、その恩恵は街中をゆっくりと走らせるだけでもわかる。ソリッドで硬派な雰囲気が伝わってくるのだ。

エンジンは水平対向自然吸気らしいフィーリングで、回転上昇と速度の伸びがきっちりとリニア。正直に言えば低・中回転域ではこれといって感動はないのだが、5000回転付近から俄に活気づき、6000、7000、と回っていくほどに興奮させられる。トップエンドの7500回転ではレブリミットに当ててしまった時の“ファファッン”というサウンドも楽しい。排気量アップで相対的にショート・ストロークとなり、吹き上がりの鋭さが一段と強調されたのだ。低・中回転域も初代に比べトルクがあって走りやすく、排気量アップは正しい判断だった。



コーナリングはBRZのハイライトで、ノーズの動きはシャープなのにサスペンションにいやな硬さはなくしなやか。ノーズ周りの重心の低さを存分に発揮している。スタビリティも高く、コーナーの立ち上がりでは思い切ってアクセルを踏み込んでいける。自動車として大いにレベルアップが図られているが、かといって上質なプレミアムカー的な方向ではなく、走りを満喫させる硬派な雰囲気に満ちあふれているのがいい。サーキットなら、もっと楽しいだろうなとワクワクさせられるのだ。

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