2021.12.19

CARS

選ぶのは賢い直4か? ホットなV8か? マセラティ・ギブリの悩ましい選択!!

ロードカー史上初となる4気筒を用いたハイブリッドをまずサルーンのギブリで投入し、間髪を入れずSUVのレヴァンテにも拡大したマセラティ。イタリアの老舗にもついに電動化の波が、と嘆く人もいるかもしれないが、歴史を知ればむしろこれは正しい道だと、自動車ジャーナリストの森口将之は考える。

パワーユニットは直列4気筒からV型16気筒まで手がけた

マセラティもついに電動化に取り組みはじめた。第一弾として上陸したギブリ・ハイブリッドに続き、2022年モデルではレヴァンテにもハイブリッドが用意される。

これを堕落と取る人がいるかもしれないが、かつて3200GTを所有したおかげで、人より少しだけマセラティの歴史を知っている僕は、妥当な進化だと思っている。



100年以上にわたる歴史を振り返ると、イタリア上流社会ならではの伝統と革新的なエンジニアリングが融合した、懐古主義と未来志向が絶妙に両立したブランドだと感じられるのだ。パワーユニットは直列4気筒からV型16気筒まで手がけ、第2次世界大戦前に前輪駆動のグランプリ・マシンを設計。オルシ氏の経営に移行するといち早くグラントゥーリズモを提案した。シトロエン傘下の時期は彼らの油圧技術を取り入れ、デ・トマソ時代は市販車初のツインターボ・エンジンを実現した。

経営権が変わっても進取の姿勢を止めなかった歴史が、電動化につながっていると考えるのだ。

eブースターの効果は予想以上

今回は電動化第1号であるギブリGTハイブリッドを、同じギブリのトロフェオとともに連れ出した。ボディ・カラーもインテリア・カラーもまったく同じ2台だった。

GTの外観は、フロントフェンダーの3連エアベントやブレーキ・キャリパー、Cピラーのロゴマークのアクセントがブルーになる以外、これまでと同じ。躍動的でありながら派手な演出はなく、落ち着いた佇まいを保っている。

インテリアも赤と黒というカラー・コーディネートでありながら過剰さはなく、大人っぽい。メーターがアナログ式で、物理的なスイッチを多く残していることにも好感が持てる。電動化に合わせてオール・デジタルにするなどという、無粋なことはしていない。



パワーユニットは2リッター直列4気筒ターボに、電動コンプレッサーのeブースターと、48Vスターター兼ジェネレーターを組み合わせたマイルド・ハイブリッドである。マセラティのロードカーでは初の4気筒だが、レーシングまで話を広げればバードケージ以来ということになる。

eブースターとモーターアシストの効きは予想以上だった。とりわけ街中ではモーターを的確に使っているようで、約2tの車体に2リッターというスペックが信じられないほど身軽に加速していくし、濡れた路面で右足を大きく踏み込むと簡単にホイールスピンを起こすほどの力もある。

音はオート・モードではおとなしいが、スポーツ・モードに切り替えるとレスポンスが鋭くなるとともに少し勇ましい響きになる。低回転ではマセラティらしい渋くしゃがれた音色で、回していくと硬質なサウンドになっていく。もうひとつのICEモードは内燃機関のことではなく効率重視の意味だが、これを選んでも十分に速い。

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