2022.04.18

CARS

これこそアルピナの真骨頂 アルピナB8グランクーペに5人のモータージャーナリストが試乗!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

BMWアルピナB8グランクーペ

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続いてのインプレッションは、国沢光宏 、高平高輝、菰田 潔の3名。この“違いの分かる男”たちも視点こそ多少違えど、やはりB8グランクーペを絶賛している。

「徹底的に違いますね!」を思い出させてくれる/国沢光宏

私はBMW330eというPHVに乗っているのだけれど、最近クルマ作りのアベレージが上がったのだろう。30年前にBMWのハンドルを握った時に「国産車と全然違うね!」と感動したほどの凄さは感じない。よく出来た国産車と比べたらイーブンかも。アルピナに乗ると「これぞBMWですね!」と目からコンタクトが落ちる! 330eを国産車とすれば、アルピナって30年前に感じたBMWの「徹底的に違いますね!」を思い出させてくれます。B8のリアタイヤを見たら、30扁平の285で21インチ! こんな空気量少なくサイドウォール硬いタイヤ履いたら、当然ながらゴツゴツした乗り心地になってしまう。なのにB8ときたら45タイヤくらいじゃないかと思える乗り心地の良さをキープしつつ、ステアリングフィールは本格的なスポーツカーのようにシャープ。ポルシェ911をそのまんまセダンにしたらこんな感じになるのかも。ポルシェですら911を除けばB8に届かないですけど……。2557万円は100%納得出来る。アルピナを気軽に買って乗れる人は幸せだと思う。



違いが分かる人のためにある究極の自動車趣味/高平高輝

創業から半世紀を超えても相変わらず“違いが分かる人”だけのために、BMW各車をベースにした特別な高性能モデルを堅実に少量生産するのがご存知アルピナ。B8は8シリーズをベースに仕立てられた全長5mあまりのゴージャスな大型クーペである。明るいコンビのレザートリムから21インチのアルピナ・クラシック・ホイール(鍛造だがセンター・キャップ付き)まで、豪勢ながらも行き過ぎないエレガンスを漂わせるB8だが、4.4リッターV8ツインターボ・エンジンは、457kW(621ps)/5500~6500rpmと、800Nm(81.6kgm)/2000~5000rpmを発生するアルピナ最強ユニットだ。0-100km /h加速3.4秒、最高巡航速度324km/hのスーパー・クーペでありながら、声高にそれを主張しない控えめなスタイルはやはり究極の自動車趣味である。もちろん、ゆっくり走る際の身のこなしも優雅極まりない。かすかに響かせることも、大音量を轟かせることも自由自在、ドライバーを交響楽団の指揮者気分にさせてくれるのだ。



最近ではいちばんアルピナらしいモデル/菰田 潔

アルピナ車の年間生産台数が2021年は2000台を超えたという。これまで1700台だったのに急速な伸びである。富裕層が高級車に走り、新車は引っ張りだこ、中古車相場も上がっている。アルピナもその恩恵を受けたのか。それはともかく、B8は最近のアルピナらしいモデルの筆頭だと思う。BMW 8シリーズ・グランクーペにM8とは別のアルピナ専用のV8ツイン・ターボ・エンジンを搭載し、21インチのアルピナ・ホイールに専用セッティングのピレリPゼロを履く。速度域に関わらず乗り心地が良いことはアルピナの得意技だが、特にB8は走行モードをアダプティブにすると、フラットな路面ではシャキッとしっかり感が出て、カメラで路面を先読みすることでダンパーを調節してしなやかな脚の動きで荒れた舗装をいなす。アクセレレーターもハンドルも必要以上にゲインが高くないからもの凄く扱いやすい。疲れを知らずにどこまでも走って行けそうな気分になる。美味しいモノを食べさせてくれる小さな寿司店の逸品のようだ。

レーザーによる刻印でアルピナ・エンブレムをあしらったクリスタル仕様のiDriveコントローラー、ウォールナットのインテリア・トリムといったエレガントなディテールが室内にアクセントを与えている。エンジンは4.4リッター V8ツインターボ。


写真=茂呂幸正(メイン)/神村 聖(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

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