2022.04.25

CARS

可愛いだけではない! 長く愛される理由がある フィアット500Cツインエア・ドルチェヴィータに5人のモータージャーナリストが乗った!【2022年エンジン輸入車大試乗会】 

フィアット500C ツインエア・ドルチェヴィータ

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。愛らしいデザインで日本でも長く高い人気を誇るイタリアン・コンパクト、フィアット500のオープン・トップ・バージョン500Cには、小沢コージ、岡崎五朗、藤野太一、山崎元裕、藤島知子の5人のジャーナリストが試乗した。

2021年にグレード体制を一新

デビューから15年を経たフィアット500。2021年6月に従来の1.2ポップとラウンジの両グレードに代わり、カルトとドルチェヴィータという2つのグレードが発表された。カルトは1.2リッター直4と0.9リッター直2ターボの両方に設定されるが、ドルチェヴィータは0.9リッター直2ターボのみとなる。両パワーユニットとも、2ペダル仕様のATモード付き5段シーケンシャル・トランスミッション「デュアロジック」が組み合わされる。今回の参加車両はオープン・トップ・モデルのフィアット500Cドルチェヴィータ。全長×全幅×全高=3570×1625×1515mm。ホイールベース=2300mm。車両重量=1050kg。車両本体価格=280万円。



ザ・イタリアン・ジョブな存在もこれが最後かも/小沢コージ


2022年春、正直今になってもこんな可愛くてシンプル過ぎるクルマに乗れるとは思ってもみなかった。現行フィアット500Cドルチェヴィータだ。サブ・ネームはご存知日本で「甘い生活」と訳されたフェリーニ映画の原題で、国内100台限定のオシャレなコンパクト・オープン。白と銀のアルミホイール、ポルトローナ・フラウの本革シート、ウッド仕様のインパネ、各部のクローム・パーツが印象的だが、問題はそこじゃない。中身は基本、2007年デビューのちと懐かしいFFコンパクトのままだということだ。2008年に欧州カー・オブ・ザ・イヤー、2009年にワールドカー・デザイン・オブ・ザ・イヤーを獲り、0.9リッター 2気筒ターボのツインエアが途中で追加されてはいるものの、被害軽減ブレーキを始めとするイマドキの先進安全装備はほぼない。まさに可愛いデザイン、オシャレ内外装、軽快な走りで勝負するザ・イタリアン・ジョブ。とはいえすでにEV版の次期型は発表されているし、こんなラテンなチカラ技で味わいをキープするクルマもこれで最後かもよ?

新グレード、ドルチェヴィータはボディ同色のインパネがあしらわれるほか、ブラック&アイスのコンビネーション・カラー・シートを備えるなど、オシャレな仕様となっている。新たにクルーズコントロールも標準装備された。

まったく古びてない。まだあと10年はいけそう/岡崎五朗

デビューから15年経ったにもかかわらず、キュートだけどキュートすぎないデザインはまったく古びていない。これは驚くべきことだ。試乗したのは500Cと呼ばれる屋根開きモデル。キャンバス製電動トップはルーフ部のみを開けるセミオープンに加え、リア・ウインドウまで畳み込むフルオープンが可能。試乗当日は気温8度だったが、フルオープンでも別段震え上がるようなことはなく、日常的にフルオープンを楽しめそうだ。ただし80km /hを超えるとそよ風と呼ぶにはちょっと無理がある風の巻き込みが発生する。高速道路での移動はセミオープンを選択したほうがいいだろう。875cc2気筒ターボ・エンジンの最高出力はわずか85ps。さすがに加速は鈍いが、雑味のないスッキリしたサウンドと回転フィールはなかなか美味。むしろ古さを感じたのは、AT限定免許のビギナーにはいささか扱いにくいであろうシングル・クラッチ式自動MTと、現代の水準では緩さを感じるボディだ。EV化もいいけど、トランスミッションの刷新とアバルト595の半分程度のボディ強化を加えればまだあと10年はいけそうなんだけどなぁ。

新グレード、ドルチェヴィータはボディ同色のインパネがあしらわれるほか、ブラック&アイスのコンビネーション・カラー・シートを備えるなど、オシャレな仕様となっている。新たにクルーズコントロールも標準装備された。

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