2022.04.21

CARS

歴史的大変貌を確実な進化に活かす! シボレー・コルベットを5人のモータージャーナリストが試す【2022年エンジン輸入車大試乗会】

シボレー・コルベット・コンバーチブル

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。7世代続いたの伝統のFRレイアウトをあっさりと捨てMRへと生まれ変わったシボレー・コルベットには、斎藤 聡、清水草一、松田秀士、大井貴之、藤野太一の5人のジャーナリストが試乗した。

伝統のV8ユニットはそのままに歴代初のミドシップへ

FRからミッドシップへと大変身した8代目コルベットの国内デリバリーは2021年から始まった。ミドシップ化に伴い、リア・サスペンションはリーフ・スプリングからコイルに変更されるなど、走行性能のアップが図られている。一方、リア・ミドシップに鎮座するのは伝統の自然吸気6.2リッターV8 OHV。最高出力502ps/6450rpm、最大トルク637Nm/5150rpmを発生する。デュアル・クラッチ式8段自動MTを介し、後輪を駆動。0-100km/h加速2.9秒を誇る。全長×全幅×全高=4630×1940×1220mm。ホイールベース=2725mm。車両重量=1670kg。クーペは1250万円~。コンバーチブルは1600万円。




これが最終形態なのでは? とまで思えてくる/斎藤 聡


コルベットと言えばアメリカン・スポーツの代名詞。大排気量V8を搭載するマッチョなFRというのがお約束だったはず。ただ、思い返してみるとC6コルベットは恐ろしくシャープな操縦性でおよそアメ車の大味さとは無縁のクルマだったし、さらに進化したC7は欧州の名だたるスポーツカーと比べてもそん色ない優れた操縦性が与えられていた。その上でのミッドシップとなったC8コルベットの登場だから、流れとしては筋道は通っている。そして、操縦性に関してもミッドシップのフロントの接地感の乏しさなど微塵もなく、それどころかステアリング操作に対する応答の正確度は素晴らしく高い。ついでに限界領域のコントロール性は抜群。6.2リッターV8=502馬力/637Nmのド迫力のパワー&トルクをたっぷり楽しめてしまうのですから、これは20世紀に産み落とされたアメリカン・マッスルカーの代名詞たるコルベットの最終形態であろうと思えてくる。まさしく、“いま・ここ”だから乗りたいガイシャとして強く推したいクルマだ。

未来的とも思えるコクピットはドライバー・オリエンテッドの考え方が貫かれている。質感も先代に比べて向上した。右ハンドル仕様のペダル・レイアウトに違和感はない。バケット・シートは掛け心地、ホールド性ともに抜群だった。

快楽ゾーンど真ん中の完璧なミドシップ・スーパーカー/清水草一

新型コルベットは、エクステリアを除けば、完璧なミドシップ・スーパーカーだ。

しかもお値段はたったの1180万円から。信じられないほど安い。さすが年間3万台も売れるクルマである。年間3万台と言えば、フェラーリ全モデル合計の約3倍。それをコルベット1台で売ってしまうのだ。ほぼ北米だけで! アメリカが世界唯一の超大国であることを思い知らされるのみ。

冒頭の「エクステリアを除いて」という点は、個人的な嗜好なので詳細は割愛するが、とにかくそれ以外はパーフェクト。しっかりしたシャシーがもたらす、望外の乗り心地に癒やされながらハイウェイを流せば、腹に響くOHVの重低音が実に心地いい。ステアリングのキレもちょうどよく正確。アクセレレーターを床まで踏み込めば、現代最高レベルの内燃機関系快楽がさく裂する。1670kgに対する502psゆえ、あまり速すぎないのも美点で、それだけ息長くV8 OHVのビートを楽しめる。新型コルベットはオッサンの快楽ゾーンど真ん中だ!



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