2022.07.24

CARS

保守派セダンから流行の4ドア・クーペSUVへ 大変貌を遂げた新型トヨタ・クラウン

トヨタが16代目クラウンを発表した。セダンを含む4タイプを用意するが、最初に発売されるのはSUV風4ドア・クーペの「クロスオーバー」だ。

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世界が注目する最近流行りのスタイルを採用

エクステリアは先代に続きクーペ・ライクな3ボックス・スタイルにSUVの要素を組み合わせているのが最大の特徴。先日発表されたプジョー408やシトロエンC4-Xをはじめ、世界の多くのメーカーが力を入れ始めた最近流行りのスタイルだ。



これまでのクラウンらしさと決別

フロント・マスクも、薄型になったヘッドライトとアッパー・グリルに大きくワイドになったロワー・グリルを組み合わせるという歴代モデルとは一線を画するデザインを採用。ホイールアーチにはSUV的なクラッディング(樹脂パネル)を備え、タイヤとのクリアランスも大きくとられている。

ボディ・サイズは全長4930×全幅1840×全高1540mmで、先代の4WDモデル比全長が20mm、全幅が40mm、全高が75mmそれぞれ拡大。最低地上高は15mmアップの145mmで、ホイールベースは70mm短い2850mmとなった。



クラウンらしいインテリア

インテリアはこれまでのクラウンと同じラグジュアリーな仕立てを有する。インパネは上質な印象を持つ水平基調のデザインを採用。上部にメーターやインフォテインメント用のディスプレイをまとめ、その下には各種操作に必要なスイッチ類が並ぶ。全席特等席を謳う室内空間は、一般的なセダンより高くなったヒップ・ポイントにより前後席とも良好な視界を確保。また、頭上や前後のスペースが広くとられた。リア・エンドには450リッターの容量を持つ独立した荷室スペースを備える。

プラットフォームはモジュラー構造の「TNGA」の大型前輪駆動用である「GA-K」で、ボディ前半にはSUV用、後半にセダン用を使用。大径タイヤを採用しつつ、優れた乗降性と低い荷室フロア、ダイレクトなステアリング・フィールを目指した。サスペンションはフロントがストラット式、リアは新開発のマルチリンク式だ。



新しいハイブリッド・システムを採用

パワートレインは後輪を駆動する電気式4WDを備えた2種類のハイブリッドを設定。「RS」系グレードにはトヨタのハイブリッド・システムの主流である2モーター+遊星ギアを用いた動力分配装置ではなく、前後にクラッチを備えた1モーター式の「デュアルブーストハイブリッド」と呼ばれる新システムが採用された。エンジンは272ps/460Nmの2.4リッター直4ターボで、フロントに82.9ps/292Nm、リアに80.2ps/169Nmのモーターが組み合わされる。2モーター+遊星ギア式とは異なり油圧多板クラッチを用いた6段ATが備わる。

「G」系と「X」系グレードには、186ps/221Nmの2.5リッター直4に遊星ギアの動力分配装置を組み合わせた従来型のハイブリッドを搭載。モーターの出力は、フロントが119.6ps/202Nm、リアが54.4ps/121Nm。なお2種類のハイブリッドともに、バッテリーは新開発のバイポーラ型ニッケル水素電池を使用する。

発売は秋頃だが、一部グレードは生産開始時期が23年1月以降となる予定だ。価格は435〜640万円となっている。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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