2022.09.14

CARS

【速報!現地リポート第2弾】フェラーリ・プロサングエとはどんなクルマなのか? マラネロ事前発表会リポート全文掲載!!

フェラーリ史上初のSUV、プロサングエ!

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エアサスでも油圧アクティブ・サスでもない?

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もうひとつ、早く乗ってみたいと思わせる重要な要素は、先に触れたアクティブ・サスペンション・システムがいったいどんなものなのか、ぜひとも体験してみたいからだ。

これはひと言で言えば、エアサスでも油圧アクティブ・サスでもない、電気モーターを使ったアクティブ・サスだ。48Vの高出力密度モーター・アクチュエーターが、高精度スプール・バルブ油圧式ダンパーのピストンロッドに直接結合されたネジを回転させて減衰力を瞬時に変化させる仕組みで、高さも10mmまで変えることができるのだという。これを4つのサスペンションに装備し、コンピューターで統合制御することで、エアサスよりも遥かに速く正確にロールやピッチをコントロールできるのみならず、路面の凹凸をも吸収して、乗り心地の向上にも大きく寄与するというのだから驚きである。

プロサングエのパフォーマンスと快適性の両立のキー・テクノロジーとなったアクティプ・サスペンション・システム。48Vモーター・アクチュエーターがミリセカンドの速さでバンパーのストローク方向に必要な力を加えて、減衰力を変化させる。ローワーウィッシュボーンのハブキャリアとの結合部分にも要注目。


これに加えて、プロサングエは新世代のフロント・サスペンションを備えており、ダブルウィッシュボーンのロワーアームとハブキャリアを連結に新たなやり方を施すことで、路面の凹凸やブレーキングに対するステアリング・ホイールの過敏さを軽減しているという。

さらにもう一つ、プロサングエにはGTC4ルッソに装備されていた4WDシステムに加えて812コンペティツィオーネゆずりの4WSシステムをも装備している。先ほどのアクティブ・サスペンションと合わせて、こうしたすべてのシステムがコンピューターで統合された結果、もたらせれる走りがどんなものなのか、クルマ好きなら一度は経験してみたくなるのは当然だろう。

カーボン・ルーフが標準装備されるが、この写真のクルマはオプションのエレクトロクロミック・ガラス製ルーフを装備している。


プロサングエは全生産台数の20%しかつくられない

ところが実際のところ、このクルマのオーナーになるのは、たとえサイフにそれだけの余裕があったとしても、そう簡単ではないようだ。というのも、どうやらすでにオーダーの長い列ができつつあるというのだ。

そもそもが、マーケットの長年の強い要望から構想されたという4ドア4シーターのプロサングエだから、それだけ注目度が高いのは想像がつくが、現実はさらにそれを大きく上回る反響を呼んでいるということらしい。フェラーリではまずこれまで長年の付き合いのある顧客に対して3カ月ほど前からオーダーを受付け始めたところ、不見転の状態であるにもかかわらず、あっという間に、予定している台数を大幅に超える注文が入ってしまったのだという。エンツォ・フェラーリの時代から、フェラーリはマーケットの需要より1台少ない台数しかつくらないことで、常にクルマ好きの欲望を刺激し、その希少性を大切にしてきたが、今度ばかりは1台どころかとんでもない数が不足することになりそうだ。

しかし、それでもフェラーリは、プロサングエを全生産台数の20%しかつくらないと決めており、大幅に増やす考えはまったくないと断言している。ピサでの発表会に世界から招待された2000人は、ちょうど最初の1年分のプロサングエを手に入れることができた幸運なフェラリスティたちということになるのかも知れない。デリバリーは2023年の第2四半期から開始されるという。

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文=村上政(ENGINE編集部) 写真=フェラーリS.p.A.

チーフ・デザイナーのフラヴィオ・マンゾーニ氏。

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