2023.01.29

CARS

回転限界の8000回転までよどみなく続く怒涛のトルク! F1譲りの副燃焼室を持つ3リッターV6ターボは630馬力! マセラティMC20のオープン・モデル、チェロにイタリア・シチリア島で試乗!!

マセラティMC20チェロ

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イタリアの澄み切った青空の下で行われた試乗会で乗ったのは、ミドシップ・スポーツのMC20に開閉式ハードトップを組み合わせたチェロ。「空」という名を掲げたマセラティの新しいオープンカーはどんなクルマだった? 現地シチリアで試乗したエンジン編集部の新井がリポートする。

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MC20のオープン・モデル

乗り継ぎで早朝に立ち寄ったフィンランド・ヘルシンキの気温はたったの2度。これからオープン・スポーツカーの試乗に出掛けるというのに、すっかり秋が深まっているヨーロッパの気候に、寒がりの私は若干の愁いを感じていた。ところがどうだろう。試乗会の舞台であるイタリア・シチリア島は、夏の名残りを感じるような強い日差しが照り付け、気温も20度に届かんとする勢い。ヘルシンキでの重い気持ちはすっかり消え失せ、ちょっと厚手の上着を脱ぎ、試乗の会場へと向かった。



絶好のオープンカー日和となった今回の試乗会で乗るのはマセラティMC20チェロ。MC12以来15年ぶりに復活したマセラティ久々のミドシップ・スポーツであるMC20に、開閉式のハードトップを組み合わせたオープン・モデルである。

目の間に現れた試乗車はローンチ・バージョンに採用されているアクアマリーナという光沢のある水色をまとっていた。光の加減で色合いが変化する不思議な色だ。抜けるようなイタリアの青空にとてもよく似合っていた。外観はフロント・フェイスをはじめ、ルーフまわり以外の造形はほぼクーペ・ボディのMC20のままのように見えるが、クーペよりもラグジュアリー色が薄まり、よりスポーティになったように感じる。その要因のひとつは、クーペのなだらかに傾斜するリア・ウインドウに代わって水平なデッキが与えられた、いわゆるトンネル・バックの採用だ。ランボルギーニ・カウンタックやフェラーリ365GT4BBで育ったトンネル・バック好きとしては、それだけでクーペよりもチェロに心惹かれてしまう。また、エンジンの冷却などに用いる風をルーフまわりから取り入れることができなくなったのを補うために、ボディ・サイドのエア・インテークが拡大されるとともにアウトレットも新設。それにともないリア・フェンダーがクーペよりも張り出すような造形になったのもスポーティなイメージが増した要因だ。それ以外にも、ルーフを開けた時にフォルムが美しく見えるようにAピラーとルーフの形状を変更するなど、パッと見は同じように感じるが、オープン化にともない細かなプロの仕事が加えられているのである。



横基調のスポーティなインパネの造形は基本的にクーペと同じだ。アルカンターラ張りのステアリング・ホイールやブルーに変更されたエンジンスタート・ボタン、液晶表示が加えられた新しい走行モード切り替えスイッチなど、先日日本で取材したクーペとは異なる点が見られるが、これはクーペとチェロとの違いではなく、最新のMC20はすべてこの仕様になるという。明るい外装色に呼応するように採用された白いシートもクーペと同形状。適度なホールド性を持ちつつもクッション性にも優れたバランスの良いシートだ。

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