2023.04.11

CARS

ヤフオク7万円・走行約16万kmのシトロエン、オーバーホールでエンジン内部がピカピカに復活!【エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#17】

エンジン編集部員のシトロエン・エグザンティアの長期リポート。今回は膨大な数のエンジン修復の写真に注目!

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エンジン編集部のウエダが2021年6月、シトロエン・エグザンティアをヤフー・オークションで購入。価格は7万円、走行距離が約16万kmで、内外装は傷だらけのクルマながら、板金塗装代50万円、部品代70万円、工賃80万円の、計200万円の予算内で10カ月かけて仕上げていくことに……。17回目のリポートでは、約16万km走った2リットルSOHCエンジン内部の様子と、その修復の模様をご報告する。

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カチカチのシールが原因か

前回のリポートは周囲の補機類を取り外し、シリンダー・ヘッドとブロックを切り離したところで終わったが、今回はヘッド内部の分解からスタートである。カムシャフトを外し、バルブを抜き取り、バルブ・シールを確認して見ると、本来は弾力があるはずなのに、みごとにカチカチになっていた。外したバルブの傘の部分にはカーボンもどっさりとこびりついており、特にエグゾースト側はきちんと閉じきっていなかったようだ。マフラーから白煙が出たり、スパーク・プラグが真っ黒だったのは、このバルブ・シールの劣化による、いわゆる“オイル下がり”が原因である。



分解されたヘッドおよびカーボンが堆積した部品の清掃は、EZブラストという重曹由来のメディアを利用したウエット・ブラストで行った。約25年前、はじめてフィアットX1/9のエンジン・オーバーホールをした時は、メカニックが地道に灯油を使ってごしごし手でこすってカーボンを落としていたが、とにかく時間がかかったのをよく憶えている。その後も、取材などで専用の洗浄剤を使っているところをたびたび見学したが、それでも頑固にこびりついたカーボンを綺麗に落とすのはなかなか大変そうだった。

リポート車を修復してもらっているカークラフトの篠原さんによれば「もっと早くEZブラストを知っていたら、もっと早く買っていたよ。作業後に細かなところにブラストで用いるメディアが入り込んでいても、重曹由来だから水洗いで簡単に落とせるところがいい」という。今回は数多くの写真を掲載しているが、作業前と作業後を比較すれば、その仕上がり具合がお見事なのは一目瞭然だろう。ちなみに同社でブラストに使っているケースは、廃材の洗濯機の外側を流用したものだそうだ。




シリンダー・ヘッドを清掃後、バルブをヘッドとすり合わせ、カムシャフト、インテーク・マニフォールド、スロットル、サーモスタット、ウォーター・ポンプ、クランクの各シールと、オイル・チューブのOリング、ヘッド・ガスケット、クランクのプーリー・ダンパー、ヘッド・カバー、サーモ・ハウジングのパッキンなど、ほぼすべてのシール材を交換。さらにブロックの内側も磨ける範囲でピカピカになるまで仕上げられた。もちろん同時にウォーター・ポンプやタイミング・ベルト、テンショナー・ベアリング、Vベルトにガイド・ローラー、エア・フィルター、スパーク・プラグといった消耗品も、すべて純正および純正相当の信頼できる新品パーツに交換している。

シリンダー・ブロックも清掃。こちらもピカピカに。

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