2023.04.08

CARS

知る人ぞ知る究極の4輪駆動車! なんとホイールベースはジムニーより短いオーストリア製の軍用車、ピンツガウアーを普段使いするオーナーのクルマ趣味が楽しすぎる!!

究極の4輪駆動車、シュタイア・ダイムラー・プフ・ピンツガウアーとオーナーの山口さん。

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外見よりも中身

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では山口さん、実際に手に入れたクルマでどんな遊び方をしているのかというと、これがまた面白い。

「僕はクルマは外装よりも内装なんですよ。確かに人に見てもらう楽しみもあると思います。でも、自分が運転するときに見える景色や空間に満足できるかどうかが大切です」

ピンツガウアーには自作のテーブルを付け、キャリアを装着し、本当に好きなアウトドア・ギアを満載してフィールドへ行く。その仕上げの手法はもう1台のフォード・エコノラインも同じだ。こちらはどちらかといえば温かみのあるフェミニンな風合いだが、いわゆるキャンピング・カーではなく、あくまで過ごすのは野山で、寝るときだけ車内で過ごすという仕立てだ。また、さらに別のエコノラインをベースに、泥遊びをしたオフロード・バイクを中に収納しつつ、疲れた身体も休ませることのできる、いわば男性向けのガチの“バンライフ”仕様車も作成中なのだという。



泥と遊ぶのはバイクだけじゃない。

「ピンツガウアーの泥遊びも大好き」だそうだ。意外やパワーが足らず駄目な時もあるが、コンパクトなサイズと驚異的な悪路走破能力を山中で存分に味わっているという。

ピンツガウアーは元々国をあげて開発された軍用車だし、兵士が戦場で動かすことが前提だから驚異的に整備性はいい。部品もアメリカでは同好の士がたくさんいて新品が出てくることもあるし、新たに作られているものもあるという。スロットルが固着してオーバーレブさせてしまい、エンジンを傷めてしまったこともあったが、ガスケットはたった8000円程度で、しかもアメリカから4日で到着したというから、意外や維持もしやすいそうだ。

ピンツガウアーは本来、助手席乗員がキャノピーを使うなどして周囲を索敵しつつ走るので、運転席からの後方視界などは良くないが、姿形から受ける印象よりも実寸はずっと小さく、狭い街中でも取り回しは容易いという。

「でもオーストリアへ頼むと、いつ来るか分からないんですけどね」

そう笑う山口さん。クーラーを付けることも考えたが、クルマへの悪影響を考え、夏場は休ませているという。逆に寒い季節は大活躍だ。背が高く乗り込むのはちょっと身構えるが、中は5人がちゃんと座れるし、荷物もかなり入る。大きなモバイル・バッテリーや毛布も備え、山野への出撃準備は常に万全なのだ。

今も海外はもちろん日本各地に足を運び、自分の目で見たものを買い付けるという山口さん。ピンツガウアーはそんな彼のお眼鏡にかなった、最高のギアなのである。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明 協力=mountain mountain factory

(ENGINE2023年5月号)
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