2023.05.09

CARS

メルセデス・ベンツ新型Eクラス登場 奇抜さはなく、正常進化で熟成を重ねてきたか?

メルセデス・ベンツが6代目となる新型Eクラスを発表した。2016年以来、7年ぶりのフルモデルチェンジとなる。

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ボディ・サイズは変わらず

開発コードの214型とも呼ばれる新型Eクラス。ボディ・サイズは、全長×全幅×全高=4949×1880×1468mm、ホイールベース=2961mm。全幅とホイールベースが若干大きくなったものの、ほぼ先代と同サイズに収まっている。長いボンネットを持つフォルムは、Cピラーの傾斜が緩やかになったことで、ルーフ先端からトランクリッドまでが一直線で続くような形状になった。空気効力係数(Cd値)は0.23という優れた空力効率を実現。トランク容量は540リッターだ。



光るグリルを新採用

フロントまわりは、フロントグリルの周囲をグロスブラックのパネルで覆うことでヘッドライトとの連続性を強調。この処理はメルセデスの電気自動車専用ブランド「EQ」シリーズとの共通性を感じさせるものだ。また、グリルにはオプションでBMWのように枠の部分を光らせるイルミネーションを装着することができる。テールライトもヘッドライト同様、下端が波打つような形状を採用。内側はスリーポインテッドスターが縁取るように光る。



ダッシュボード全面液晶パネル

インテリアは、ダッシュボード中央に縦長のインフォテインメント用ディスプレイを持つSクラスやCクラスのようなデザインではなく、運転席から助手席までが連続的に続くEQSやEQEに近い意匠を採用。EQSなどと同様、メーター及び中央のインフォテインメント用に加えて、助手席用のディスプレイを備えるオプションのMBUXスーパースクリーンを選択すると、ダッシュボード全面が液晶パネルで覆われる。画面では動画などの閲覧も可能だが、助手席が空席の場合は映像を流せないなど、運転中のドライバーからは見えないような仕組みを備える。

室内の広範囲に張り巡らされたアンビエント・ライトにはオーディオに合わせて発光パターンが変化するギミックも設定。オプションのブルメスター4Dサラウンドサウンド・システムと連動し、シートが発生させる振動と合わせて、音楽を視覚や触覚でも感じさせる。

MBUXインフォテインメント・システムはよりパワフルなコンピューターを採用し、5G通信やAI技術にも対応。デジタル制御の風向調整や、ドライバーの習慣やシチュエーションに応じてエアコンやオーディオ、照明などを自動調整する機能など、ハイテク快適アイテムも拡充されるという。



すべて2.0リッターのハイブリッド

当初用意される4種類のパワートレインはいずれもモーターを備えたハイブリッドで、エンジンはすべて2.0リッター・ターボとなる。

204ps/320Nmのガソリン・エンジンを積む「E200」と197ps/440Nmを発生するディーゼル・エンジンの「E220d」は、23ps/205NmのISG(インテグレイテッド・スターター・ジェネレーター)を加えたマイルド・ハイブリッド。

残る「E300e」と「E400e」は、ガソリン・エンジンに129ps/440Nmのモーターを組み合わせたプラグイン・ハイブリッド(PHEV)。204ps/320Nmのエンジンを積むE300eはトータルで313ps/550Nmを発生。また、252ps/400NmのE400eは381ps/650Nmとなる。どちらも100km前後のEV走行も可能だ。なお、E200は後輪駆動(FR)のみ、E220dとE300eはFRと4WD、E400eは4WDのみの設定だ。



欧州での発売は夏以降

サスペンションはフロントが4リンク式、リアが5リンク式で、スチール・スプリングが標準仕様で、エア・サスペンションと4輪操舵がオプションで選べる。また、マイルド・ハイブリッド車には車高が15mmローダウンし、セレクティブ・ダンピングシステムを備えたアジリティコントロールを設定している。

新型Eクラスの欧州での発売は2023年夏、秋には販売店へのデリバリーがスタートする見込みだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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