2023.08.20

CARS

なぜアストン・マーティンF1はホンダと組むのか? チーム・オーナーのストロール氏に訊いてみた

2026年からのホンダ製のPU(パワーユニット)を搭載することになったアストン・マーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チーム。アストン・マーティンはどのような経緯でホンダを選び、どのような展望を持っているのか。ホンダとの発表後に開催されたF1モナコGPの会場で、アストンマーティン・ラゴンダの会長であり、アストン・マーティン・アラムコ・コグニザント・フォーミュラワン・チームのオーナーであるローレンス・ストロールに伺ってみた。

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2026年から独占契約

また先日、ホンダがワークスのパワーユニットのパートナーになることが発表されました。

「これは本当に大きなことだ。2026年からの独占的なワークスパートナーであり、26年から31年までが私たちが結んだ契約です。うまくいけば、それを超えることができると思っています」

ではその期間中は、他の誰もホンダのエンジンを使うことはないのですね?

「そうです」



F1で勝ちたい

なぜ、ホンダを選んだのですか? 

「F1では圧倒的に最高のパワーユニットですからね。ここ数年、彼らは勝っているし、これからも優勝すると思う。F1で勝ちたいなら、5回、あるいは7回連続でワールドチャンピオンになったエンジンを使うのがいいんだよ」

「パズルの最後のピース、それがホンダ・エンジンです。これまでの経験で学んだこと、それはカスタマー・エンジンではワールドチャンピオンになれないことでした。シャシーにマッチしたワークス・エンジンが必要なのです。ターボはどこへ行くのか? エグゾーストはどうするのか? ただ単体で提供するのではなく、シャシーにフィットするようにね。これは非常に基本的で、非常に大きな違いです。カスタマーだとシーズンの直前までどんなエンジンになるかわからないからね。ワークスなら26年まで一緒に準備を進めることができる」



自製のエンジンは高い山

自製のエンジンを開発することは考えていないのですか?

「もちろん検討しました。しかし私たちにはこれまで一度も経験がないので、少なくとも3年から4年は掛かるだろうと考えていました。実は、シルバーストーンにある私たちの新しい施設には第4棟と呼ばれる、エンジンを製造するための建物があるんです。しかし人的な問題も含め、あまりにも高い山だと悟ったのです」

ちなみにホンダとの提携はモナコGP、そして最新のDB12の発表に合わせたものだったのですか?

「モナコとは関係ないし、DB12の発表会とも関係ない。長い間……そうですね。1年以上前から話していました。ホンダとのディールが決まったのは飛行機と飛行機の間でのこと。午前11時、東京での記者会見で発表してCEOと時間を過ごし、飛行機に飛び乗って、17時間かけてモナコに戻り、自分の船に行って、シャワーを浴びて、DB12発表の1時間前に間に合った。本当に予定外だったんだ」

次回はモナコGPの週末に発表された新しいスポーツ・モデル、「DB12」をはじめとする今後の市販車はどうなるのか? そのあたりについて伺ってみる。



文=藤原よしお 写真=Aston Martin Aramco Cognizant Formula One、Aston Martin Lagonda Limited

(ENGINE WEBオリジナル)

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