2023.09.13

CARS

ヤフオクで7万円のシトロエンを落札し、200万円をつぎ込んだエンジン編集部ウエダのエグザンティア、アルデンテだった足がフワフワに復活!【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#25】

納車から1カ月は絶好調。ただしサスペンションの問題を除けば、だが……。

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足まわり以外は絶好調!

まず走り出してから最初の約1カ月、僕はトラブルを洗い出すため、毎日のようにエグザンティアに乗り、トータル1082kmを一緒に過ごした。



始動はつねにセル一発でOK。過去に何台かカークラフトが仕上げたクルマに乗って驚いたのは、中古車にありがちなビリビリがたがたという振動や騒音がとても少ないこと。エグザンティアも同様で、アイドリング時も巡行中も、室内は26年オチの中古車とは思えない静けさだ。エンジンのヘッドをオーバーホールし、インテリアの車体前半部をほぼ分解し、いちいち丁寧に組み直した成果だと思う。

ただし、路面状況によって2000回転前後でわずかに内装でも干渉しているのか、ビリリリ、ジリリリと小さな音がメーター付近から聞こえてくる。なんだかまるで鈴虫でも潜んでいるようだ。また、なぜか極低速域でだけ、フロントの足まわりからコトコトと小さな音が出ているのも気になる。どちらもある一定速度を越えると静かになるので、経過観察を続けることにした。

エンジンは呆れるほどに安定しており、それでいて3000回転くらいの常用域まで綺麗に回る。オートマチックの変速も3速、4速とクン、クーン、とショックもなく滑らかでよどみない。シフトレバーをマニュアル操作すれば高回転域まで試すことも可能だが、とりあえずDレンジに入れっぱなしにし、制御は機械任せで走った。急加速や急減速は控え、極力キックダウンをさせず、エンジンと変速機をいたわって走った1カ月となった。

春先なのでクーラーを使うことはさほどなかったが、ちょっと日差しが強く、車内がかなり暑くなっていても、しっかり冷たい風が吹き出してくる。もちろん朝夕の肌寒い時でもヒーターは強力無比だ。

直進性は最高。これぞまさにシトロエン、という感じである。修復前より、さらに一段とレベルが引き上げられたと思う。高速道路ではひたーっと安定してどこまでも見事にまっすぐ走ろうとするから、本当に長距離移動が楽だ。


アクティバから流用した座面とオリジナルの背面を組み合わせてもらった運転席のサポート性もすごくいい。1カ月の間に、一般道を6時間200km連続運転するような状況も何度かあったのだが、身体はどこも痛くならず、とにかく疲れが少ないことが分かった。それにしてもエグザンティアに慣れてしまうと、ほかのどんなクルマに乗っても、頭が常に揺れているような気がしてしまうのにはまいった。

アルデンテな感じ

それだけに気になるのはやはり足まわりで、特にフロント側がつっぱっていて、ストロークする際に常に芯が残っているような印象を受ける。パスタはわずかに芯の残るアルデンテが美味しいけど、シトロエンでこれじゃどうにも不味い。

路面のうねりを越えていく時の、ハイドローリック・シトロエン特有のゆらりゆらりといなしていく動きもぎこちない。間違いなく修復前にはあったはずの挙動が失われている。もしや交換した新品のハンコックのタイヤが原因かとも考えたが、リア側の動きはしなやかなので、タイヤだけが原因であるようには思えない。

走行前には極力ボンネットを開け、エンジン・ルーム右奥のLHMの量を示すフロートの位置を確認したが、窒素ガスと油圧によるハイドローリック・システムの動作自体は正常のようだ。車高も、エンジン始動後数十秒ほどでちゃんと起き上がってくるなど、おかしなところはない。

そこでウェブサイトを検索し、なにか同じような事例はないかと情報を探すと、“サス・ロック”という言葉が浮かび上がってきた。XMやエグザンティアのオーナーの間では、そう珍しい現象ではないようである。

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