驚きの乗り心地試乗会が行われたのはなんと佐渡島。この記事が出る頃にはすでに先行予約が始まっているが、発売前のこのときはまだナンバーも付いていなかったため、試乗は一般道の「大佐渡スカイライン」の一部区間を閉鎖して時間を区切って行われた。じゃんけんに負けた結果、試乗車がボディ・カラーがアステロイドグレーパールのリミテッドEXになり、ちょっと地味かなと思ったが、これが訴求色だという。ボディ・カラーはダーク系が多いが、ホワイトとレッドは多少若向きかもしれない。ちなみに今回の試乗会、佐渡が大々的に協力しており、占有料はなしだというが、群馬あるいは東京から試乗車を運んでくるだけでなく、メディアも呼ぶとなればそうとうな費用がかかるはずだ。スバルがそこまでして佐渡島でレイバックの試乗会をやる理由はなんだろうと思っていたが、大佐渡スカイラインを走って合点がいった。
スカイラインと名のつく尾根伝いのこの道、伊豆スカイラインのようなダイナミックなワインディングを想像していたら大間違い。所々道幅が狭くなっており、アップダウンもあるしブラインドコーナーだらけで、おまけに奥で急にアールがきつくなっていたりとまったく気が抜けない。しかも所々路面が大きくうねり、突然バンプがあったりと過酷なことこの上ない。こりゃ、まるでラリーのコースみたいだと思ったが、そんな道をレイバックが苦もなく走るのは、最初はちょっと信じられなかった。記憶に残るレヴォーグの走りはビシッとしていてスポーティで、乗り心地もかなり硬かったが、レイバックの乗り心地は素晴らしくいい。タイトなコーナーでもグラっとしない。ロールはどんな速度でもどんな曲率のコーナーでも終始自然で懐も深く、底づき感もない。必要以上の硬さを感じず、しっとりとしなやか。しかもちゃんとスポーティさもある。レヴォーグのリバウンドスプリングを備えるダンパーを使いコイルも含めて専用にチューニングしたと言うが、ホントにびっくりのデキ。この乗り心地は凄い。
ハンドリングも過激なところはなく、応答遅れもない。ステアリングのしっかりした感じも大したもんだと思った。レヴォーグも最新世代のプラットフォームになって、乗り心地やハンドリングの質感が格段に良くなったが、レイバックではその良さがまた一段階上がった感じだ。遮音性を上げるために音振の抑制をかなり頑張ったらしいが、ロードノイズの少ないオールシーズン・タイヤは乗り心地もいいし、キャラクターにも合っていると思った。スバルというと走り屋というイメージはホントにもう過去の話。いま国内ではレガシィのセダンがラインナップから外れているが、レイバックはその穴を埋める大人好みのクルマになっていると思う。ぜひ一度、乗ってみることをおすすめします。文=塩澤則浩(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦
■スバル・レヴォーグ・レイバック
動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動全長×全幅×全高 4770×1820×1570mmホイールベース 2670mmトレッド 1560×1570mm車両重量 1600kgエンジン形式 直噴式水平対向4気筒DOHCターボ総排気量 1795cc最高出力 177ps/5200-5600rpm最大トルク 300Nm/1600-3600rpmトランスミッション CVTサスペンション(前) ストラット/コイルサスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイルタイヤサイズ(前/後) 通気冷却式ディスクブレーキ(前後)荷室容量 561リッター最低地上高 200mm(ENGINE 2023年11月号)
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