2023.12.16

CARS

【保存版】中古車市場ではいまだに人気のランボルギーニ・ガヤルド 2駆かそれとも4駆か、走って一番楽しいのはどれだ?【『エンジン』蔵出しシリーズ/ランボルギーニ篇】

ガヤルドLP550-2トリコローレ(2364万9150円)、ガヤルドLP560-4ビコローレ(2532万2850円)、ガヤルドLP570-4スーパーレッジェーラ(2913万2250円※価格は2012年当時のもの)の3台。

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ボクスターか、カレラ4か

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村上 スーパーレッジェーラは1540kg、トリコローレは1580kg。それなのに、トリコローレの方が軽快に思えるのだから、面白い。まるで、ポルシェ・ボクスターの大型高性能版に乗っているような感覚で、山道を走っていて楽しくてしかたがなかった。いままではガヤルドだったら4駆の方が絶対にイイと思い込んでいたんだけれど、宗旨替えした。ガヤルドは2駆の方が楽しい。

齋藤 山道ではそれこそ、これぞスポーツカーと言いたくなるクルマ。でも、ぼくはビコローレの盤石感みたいなものに強く引かれた。4駆だと、ステアリングとスロットルの連携だとかを考えずに無頓着に走れる。とにかく楽だよ。乗り心地もずっしりむっちりとしていて、カレラ4のもっと速いヤツという感覚で付き合える。雨とか路面の悪いところとか、安心感は大きいと思うよ。ビコローレは、これだったら毎日乗れる感じがするところがなによりいい。

村上 いちばん毎日乗れないのはスーパーレッジェーラ。4駆でも、あれだけハードコアだと、公道を走っているだけで、けっこう疲れる。もちろん、サーキットではまるで水を得た魚のような走りを見せてくれるけどね。とにかく脚が硬いから、4駆でも雨の日はヒヤヒヤものでしょう。それに較べれば、2駆であってもトリコローレはずっと安定感がある。高速の直進安定性でも、ビコローレに引けを取る感じはしなかった。ガヤルドの最初の2駆モデルのヴァレンティーノ・バルボーニはもっとシャープな仕立てで、繊細かつ丁寧な扱いを要求してくるクルマだった。そこへいくとトリコローレは軽快感と安定感のバランスが絶妙で、扱いやすさがずっと増している。

齋藤 怖くない。そういう意味ではこれがスポーツカーとしてのガヤルドのベスト・モデルなんじゃない。古典的なスポーツ・ドライビングが堪能できる。しかもデキは極上。2駆と4駆のどっちを取るかは、それをどのように使いたいか、楽しみたいか次第。両者に優劣はない。性格が異なるだけ。こうなると本当に嬉しくも難しい選択だよね。

お買い得感あり

村上 いま僕が選ぶなら、トリコローレ。なにしろ、走って楽しい上に、見た目も断然カッコイイ。イタリアン・トリコロールのストライプはステッカーじゃなく、丁寧な塗り仕上げ。フロント・フードに始まって、ルーフ、エンジン・フード、さらには可動式のリア・ウイングと、その下に隠れる部分まで塗ってある。ドライバーズ・シートにも3色に染め込んだ革が縫い込んであって、ドアを開ける度に嬉しくなる。さらに、105万円相当のeギアを始め、外からエンジンが見える強化ガラス製フードや、サイドシルのフィンなどなど優に300万円を超えるオプションが標準装備されながら、ベース・モデルより60万円高いだけ。お買い得感は相当に高い。

ガヤルドLP560-4ビコローレ ブラックのルーフに、白、オレンジ、青、グレー、黄色の5色からボディ・カラーを組み合わせることができる特別仕様。


齋藤 ビコローレは特別お買い得感があるわけじゃないから、僕だったら普通の560-4がいいかな。いいかなというような気軽な値段じゃないけれどね。2476万4250円。eギアを付けたいから2581万円……あれ、ビコローレより50万円高くなる。だったら、ビコローレだな。ボディ色はオレンジ。

村上 それにしても、デビューして8年、ガヤルドはスーパー・スポーツカーとして着実な進化を遂げてきたことが改めてよくわかった。

齋藤 出た直後にはアウディ傘下で一から開発された初のランボルギーニということで、ジャーマン・エンジニアリングだとか、まとまりすぎてオーラに欠けるだとか、いろいろ言われたけれど、基本は本当に良かったんだね。でないと、ここまでのものにはならないもの。

村上 5年前にアウディのR8が登場したことで、逆にガヤルドには紛れもなくイタリアの血が流れていることがよく見えるようになった。イタリア的情熱とドイツ的冷静が合わさったピュア・スポーツカーとして、貴重な存在だと思う。アヴェンタドールのようなスーパーカーではないけれど、山道を走るなら、こっちのほうが断然楽しい。

話す人=村上 政(ENGINE編集長)+齋藤浩之(ENGINE編集部) 写真=柏田芳敬

(ENGINE2012年1月号)

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