2023.11.22

CARS

ヤフオクの7万円のシトロエンに200万円をつぎ込んだエンジン編集部ウエダ、修理連発で財政ピンチ? モグラ叩きはいつまで続く?【シトロエン・エグザンティア(1996年型)長期リポート#26】

東京湾を望む某所にて。

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いつでもどこでも60km/h?

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続いて速度計の不調。これは実は前オーナーから譲り受ける際に聞いていたもので、#7のリポートでも触れているが、なかなか遭遇しなかった。自然治癒を期待していたのだが、見事にこのタイミングで再発した。



具体的には、走り出すとすぐに60km/hまで一気に速度計の針が上がり、そのまま固定されてしまう。例え市街地でゆっくり走っていても、高速道路を飛ばしていても、いついかなる時もとにかく60km/hなのだ。

常に60km/h固定になるわけではなく、希にまともに動くこともあるからやっかいだ。これまたウェブで事例を検索すると、速度計ユニット裏側の、ハンダの剥がれが原因らしい。

とはいえこれは部品取り車のアクティバがあったから、メーター・ユニットを移植すればいい、と気軽に考えていた。速度計の中央部分には積算計が組み込まれているから、今後のリポートでオドメーターの数字の計算だけは面倒になるな、とは思っていた。

しかも運のいいことに、アクティバのメーターの数値が16万1685kmなのに対し、リポート車の数値は16万1000kmを越えたところだった。これなら入庫までの走行距離を逆算し、調整しながら工場入りすれば、差し替えるだけで簡単に数値も合わせられる!

ところが話はそんな単純にはいかなかった。左ハンドルのアクティバと右ハンドルのリポート車では、見事に内部の構造が違ったのだ。



冷静に見れば回転計と速度計の位置が左右逆になっているのだから、中身も違うのは当たり前と言えば当たり前の話である。でも2つを並べて見比べるまで、正直まったく気がつかなかった。分解してみると、アクティバの速度計の文字盤は丸く、リポート車は四角い。これでは単純に差し替えなんてできるわけがない。

結局文字盤も針も完全に分解し、アクティバの裏側の集積回路のハンダを丁寧に付け直し、リポート車に移植することになった。ただし積算計は入庫タイミングがばっちりだったおかげで、ほぼ誤差もなく、組み込むことができた。

モグラ叩きは続くよどこまでも?

このほか、極低速域からのコトコトという異音の対策としてフロントのスタビライザー・リンクを交換したり、立て続けに切れてしまったヘッドライトのロー・ビームを再び新品と入れ替えたり、運転席足元、フロアマットのフットレス部の穴あきの補修を依頼したので、作業終了までは2週間ほどを要した。



なお、部品待ちなどの空いた時間で、雨量が少ないとビビりがちだったワイパーの点検や、エンジン・ルーム内のハーネスのカプラーの見直しを行っている。前者はジョイント・パーツの交換のみ。後者は電気の流れのロス対策で、一見綺麗で緑青や腐食はなかったが、アース・ポイントも含め、徹底してクリーニングを行った。



これらはトラブルとはいうほどのものではないけれど、結局、今回の修復にかかった修復工賃および部品代(かっこ内に記載)は以下の通りである。

・サスペンション・ロックの検証、ECU交換、
センター・コンソール・スイッチ分解、導通確認、
フロント・エレクトロ・バルブ導通確認、
アクティバより分解、オーバーホール後交換、
ダッシュボード下部分解、再組み立て         7,200円
(※中古ECUは持ち込み、エレクトロ・バルブは解体車より流用で部品代なし)

・エンジン・ルーム内燃料ホース漏れ、交換      1,500円
(※ホース代は2,000円)

・メーター・ユニット分解、アクティバより
速度計部分を流用し再組み立て、再取り付け      18,000円
(※メーター・ユニットは解体車から流用で部品代なし)

・スタビライザー・リンク・ロッド新品交換     4,800円
(※部品代は左右1ペアで18,000円)

・運転席フットレスト部のカーペット補修       6,000円
(※解体車より流用で部品代なし)

・ヘッドライト・ユニット、グリル脱着、バルブ交換  6,000円
(※部品代左右1ペアで4,000円)

・ワイパー・アタッチメント交換           0円
(※部品代500円、1点250円で左右2点使用)

・エンジン・ルーム内カプラー、アース・ポイント清掃
(※部品代なし)                  7,200円

合計                       75,200円

さて、これにてエグザンティアは見事復活した。

だが、その間に季節は夏へと移り変わっていた。リポート車は2021年から2022年にかけて10カ月間も入庫していたから、連日最高気温が40度を超える日本の夏を、1年ぶりに味わうことになったわけだ。何時間も延々まったく動かなくなってしまう、大渋滞にも何度か巻き込まれた。



はたして無事、ひと夏を越すことができたのか。今回次々と発覚したような、まるでモグラ叩きのような初期不良は無事収まったのか。いや、予告しておこう。夏の間は天国だったのだが、夏の終わりとともに、地獄がやって来たのである。

次回のリポートでは、酷暑の中のエグザンティアとの日々と、お盆休み明けに追加の修復作業を依頼することになったこと、そしてそのわずか2週間後の9月1日、初の不動状態に陥り、保険会社にレスキューを依頼した夜のことをご報告する……。

文=上田純一郎(ENGINE編集部) 写真=岡村智明/カークラフト/上田純一郎

■CITROEN XANTIA V-SX シトロエン・エグザンティアV-SX
購入価格 7万円(板金を含む2022年6月時点までの支払い総額は224万4526円)
導入時期 2021年6月
走行距離 16万5134km(購入時15万8970km)

(ENGINE WEBオリジナル)

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ヤフオク7万円25年オチのシトロエンの長期リポート連載!

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