2023.11.19

CARS

【後篇】「こんな幸せなクルマを私はほかに知らない」 祝911誕生60周年! ナローから992型まで、7台の911にポルシェと酒をこよなく愛する『エンジン』編集長がドイツでイッキ乗り!!  

タルガの次にハンドルを握ったのは1983年型のカレラ・カブリオレだ。

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1963年9月のフランクフルト・モーターショーでデビューした911。まさに60歳の誕生日を迎えたこの9月に、ドイツで歴代モデルを集めたヘリテージ・エクスペリエンスと題した走行イベントが開かれた。現地へ飛んだ、エンジン編集部一のポルシェ好きである編集長の村上がリポートする「祝911誕生60周年の旅」、1970年型の911S2.2タルガからスタートした前篇に続いて、今回は残り6台を次々と乗り換えなら走る旅の後篇をお送りする。タルガの次にハンドルを握ったのは1983年型のカレラ・カブリオレだった。◆911S2.2タルガからスタートした【前篇】から読む場合はこちら!

GT志向が強いGモデル

続くは、ビッグバンパーと呼ばれるGモデルから1983年のカレラ・カブリオレ・ターボルック。これはとてもクセの強いモデルだった。ナローと違い、シフト・レバーはカチッと決まる現代的なものに進化していたが、逆に床から生えるクラッチ・ペダルが踏みにくい上に繋がるのがすごく上の方で、実に使いにくいものになっていた。さらに、ハンドリングも軽快とは言い難く、ステアリングを切っても曲がるまでに間があって、我慢を強いられる。カブリオレのボディがユルいせいもあるのかも知れないが、なんでナローとこんなに違うんだろう、と嘆きたくなるくらいに運転に苦労した。





しかし、そんな中でも素晴しいと思ったのが、3.2リッターに進化したフラット6エンジンである。これがとても40年前のものとは思えないくらいに、下からシュンシュンと良く吹け上がるのだ。231psもあるから、車重が1210kgまで増えても十分に速い。けれど軽快感は薄く、アウトバーンをズドーンと走る重厚なGTスポーツという感じ。リアがターボルックの超ワイド・ボディになっていて、見た目もドッシリとして重厚だったけれど、このあたりから、911はそういう志向を強めていったのかも知れない。

ドッカーンの993ターボS

そして、993型からは最終モデル、1998年のターボS。これは見るからに特別なオーラを周囲に撒き散らしているような強烈なスタイルを持った1台だった。実際のところ、わずか435台だけが生産されたエクスクルーシブ・モデルで、993型としては最もパワフルな450psの3.6リッターツインターボ・フラット6を搭載する。それに、15mm低められたスポーツ・シャシーおよびフロントとリアの派手なスポイラーを含むエアロダイナミック・パッケージが装着されていて、これでもかとばかりに見る者を圧倒するのだ。

空冷時代の最後を飾ったターボSは、435台のみが生産された希少モデルだ。3.6リッターフラット6ツインターボは450psを発生。1500kgのボディを4.1秒で時速100kmに到達させた。最高速度は300km/h。15mm低められたスポーツシャシーに加え、前後に大型スポイラーを装着。フロントのインジケーターの脇にはブレーキ冷却のための追加の穴が穿たれる。


その走りは見た目そのままと言っていいくらいに、強烈なものだった。ひと言で言うと、ドッカン・ターボである。白い文字盤を持った回転計のオレンジの針がちょうど真上の4000回転を超えたあたりで、ブオォォォとばかりにターボが炸裂する。ドーンと巨人に後ろから押されるようなトラクションというのはこういうことだ、わかったか、と見せつけられているようだ。アクセレレーターを緩めると、ヒュゥゥゥゥというタービンから空気が抜ける音が聞えてくる。もう笑っちゃうしかないくらいに劇画調の走りで、走りながら自分の周囲に、ブオォォォとか、ヒュゥゥゥという大小の書き文字が飛び交っているような錯覚に陥った。

一方、インテリアはこれでもかとばかりにレザーを使ったラグジュアリー感を漂わせたもので、外観とは違った意味で強烈である。こういう外観と内装のマッチングを強烈に好む人たちがいるのを私は知っている。

レザーとカーボンを使った内装の豪華さは特筆モノだ。


スポーツ・シャシーを組み込んであるだけに、乗り心地は硬めで、ハンドリングは悪くはないが、いくらパワーがあっても車重1500kgでは軽快な感じはなく、コーナーではしっかり減速して向きを変えたら、ドッカーンと加速するという直線番長型の走りになってしまう。それでも前のクルマにアッという間に追い付くくらいに速いのだ。

ここまでが空冷モデル。それぞれが相当に個性的だった。

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