2024.01.10

CARS

次期3シリーズはこんなカタチで登場か? 【ジャパン・モビリティショー回顧録:BMW篇】

名称もコンセプトも新たに、前回の東京モーターショーから4年ぶりに開催された自動車の祭典、ジャパン・モビリティショー(JMS)2023。ここでは、成功裏に終わった大イベントをメーカー別に振り返っていく。その第12弾は久々に日本のモーターショーに帰って来たBMWだ。 

「ノイエクラッセ」が日本初上陸

ジャパン・モビリティショー2023のBMWブースで、是非とも目にしたかったのが電気自動車=バッテリーEV(BEV)のコンセプト・モデル、「ヴィジョン・ノイエクラッセ」だった。ミュンヘンで開催された2023年のIAA(ミュンヘン・モーターショー)でワールドプレミアを飾った、次世代に投入される技術のショーケースだ。



3シリーズの面影が残る

エクステリアはロー&ワイドで未来的な4ドア・セダンだが、ショー向けのデザインされたエクステリアはウワサでは次期3シリーズのデザインスタディとも言われている。横に回り、潔い直線的なノーズと細いピラー、やや下がり気味のデッキへ続くフォルムを眺めていると、E21型と呼ばれる初代「3シリーズ」の面影を感じる。キャビンの居住スペースもややタイトなDセグメント・サイズといったところだ。このあたりは車名が示す「新たなクラス」というより温故知新と呼ぶほうがふさわしいのではないかという印象だ。

しかし、BMWが戦後にラインナップを刷新した際に使われた愛称を再び用いるからには、BMWのクルマづくりを大きく変革させることを示さなくてはならない。そのひとつとして、駆動系に第6世代のeドライブ・テクノロジーが採用されている。新開発した高効率モーターと従来比でエネルギー密度を20%以上高めた円形のバッテリーセルを組み合わせたもので、充電速度と航続距離を最大30%向上させるという。次世代のBMW製BEVが広く共用することになる技術だ。



アナログを排したインテリア

インテリアはますますアナログ要素を排除している。フロント・ウインドウ幅一杯の「BMWパノラミックヴィジョン」や3D表示のヘッドアップ・ディスプレイ、センター・ディスプレイ、ステアリング・ホイールの多機能ボタンで情報確認と操作を実施し、音声認識での操作も可能だ。助手席でも扱いやすい新しいインフォテインメントのアーキテクチャーも構築される。

これらが、BEV全盛期におけるBMWの、とりわけ3シリーズのドライバーズカー志向をどう左右するのか、それはまだわからない。しかし、エンジンと完全に決別したBMWは、それだけでノイエクラッセ、すなわち新しいクラスの誕生だとは言えまいか。



輸入ブランド唯一のワールドプレミア・モデル

BMWの注目はノイエクラッセだけではない。なんと出展車メーカーの中で唯一のワールドプレミアとなる新型X2をジャパン・モビリティショーで発表した。売れ筋であるSUVクーペとなる新型X2はMパフォーマンス版でガソリン仕様の「M35i xドライブ」と、新型「5シリーズ」や「X1」同様、内燃機関モデルと同じ内外装を持つBEV版の「iX2」を展示した。

また、上陸まもない「i5」以下、「i7」、「iX」、「i4」、「iX1」といったBEV陣と、フラッグシップSUVの「X7」、M専用車種の「XM」をベースにした世界500台限定モデルの「XMレーベル・レッド」、FCEV(燃料電池自動車)の「iX5ハイドロジェン」まで並んだ。

全景を眺めれば、電動化への過渡期にある現行モデルがゆりかごのように、次世代の申し子たるノイエクラッセを支えているようにも見えたBMWブースは、気のせいかどことなく荘厳な空気すら感じた。これが新たな救世主との出会いだったと幸せに回想することはできるのだろうか。その答えの一端にまず触れられるのは、ノイエクラッセの市販版が登場するとウワサされる2025年以降となる見込みだ。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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