2024.02.16

CARS

勉強よりも貫禄で勝つ兄貴! ランボルギーニ・ガヤルドとアウディR8の比較試乗!! これは面白い兄弟喧嘩!?【『エンジン』蔵出しシリーズ/比較試乗篇】

ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4とアウディR8の兄弟喧嘩!

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は、2008年10月号に掲載されたガヤルドとアウディR8の比較試乗記をお届けする。2008年3月のジュネーヴ・ショウで新型になり、560psものスーパー・パワーを得たランボルギーニ・ガヤルド(LP560-4)が、日本に上陸したのを機に、弟分のR8と乗り較べた記事だが、これはなかなか面白い兄弟喧嘩だと思いませんか?


存在感がちがう

早朝とはいえ真夏、濡れ雑巾よろしくべったりと湿気をふくんだ大気は、すでに温血動物のからだのようになまあたたかい。露天の駐車場で僕を待っていた560馬力(!)の真っ白なランボルギーニ・ガヤルドが、まるで暑さにやられて顎を出し、地べたで腹を冷やす猛獣のようにぺしゃんこになっていた。スーパーカー向きの季節ではないな、とおもう。

プロフィールはあまり雑音がなく、澄んだスタイルを見せる新型ガヤルドLP560-4。560の後の「4」はフルタイム4WDを意味する。


いっぽう、隣のシルバー・ブルーのアウディR8は、そのメタリックなかがやきと、ガヤルドよりいくぶんか高い全高のためか、低いことは低いが、寝そべっているようには見えず、キチンと立っている感じがした。そんな「キチンと感」のために、生き物っぽさが薄い。暑熱にうだっているようなガヤルドのほうが、だから、存在感は大きい。

LP560-4は、2003年にデビューしたガヤルドがおとなしかったとおもえるほど、エキセントリックなスタイルをしている。基本形はおなじにしても、フロント・バンパー左右に分割されたグリルがやけに大きくなって前に突き出たせいだろう。両側のグリルのあいだにブラックアウトされたスポイラーが追加されたことも、不穏さを増幅した。ずっとカクカクしているとはいえ、ややフェラーリF430スクーデリア風になった。いっぽう、フロントが強烈さを増した反動か、リアは逆に流麗になった。より平坦になったデッキ同様、垂直性より水平性を強調したライトまわりをふくむテール・エンドの造形は、よく整理されていてムダがない。それでも、クルマに興味のない人の目すら、有無をいわさずひきつけるだけのすごい感じはちゃんとある。



そんなガヤルドに較べれば、R8のスタイルは抑制の効いた趣味のいいものだ。面同士のつながりが、ガヤルドのように折り紙細工的でなく、なめらかに融合していることが大きい。そのぶんカタチとして冷静で、スーパー・スポーツカー・ルックの知性派だ。ガヤルドのボディのアルミ・スペースフレーム構造やV10エンジンは、アウディ出自のエンジニアリングにより、R8のフルタイム4WD機構はガヤルド出自だから、この2台のミド・エンジン・カーは兄弟のようなクルマだ。しかし、スタイリングひとつにしてからが、これだけちがう。というより対照的だ。


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