2024.03.17

CARS

【動画付】「次に乗り比べるまで、結論はお預けにしよう」 驚愕の新技術、ポルシェ・アクティブライド・サスペンションとは? 新型ポルシェ・パナメーラに試乗!

新型ポルシェ・パナメーラ

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992型のデザインを踏襲

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まず、言っておかなければならないのは、今回のパナメーラの基本プラットフォームは先代からのキャリーオーバーだということだ。だから骨格はほとんど変わっていない。しかし、外観にはかなり手が入れられており、よりワイド感を強調した押し出しの強いフロントマスクを得ている。ひと目見てすぐにわかる違いは、フロントのナンバープレートの上の部分に横長のエア・インテークが設けられたことだ。これが下側のグリルとも視覚的に繋がって、大きなラジエター・グリルを得たようにも見える。車幅いっぱいに拡がる左右のエア・インテークも含めた横長の巨大な長方形のグリルのデザインは、992型911とも共通するものだ。先代パナメーラが991型911のデザインと共通性をもっていたように、このパナメーラは992型911のデザインを踏襲している。



左右のテールランプがつながり、そこにポルシェのロゴが立体的に着けられたリアまわりのデザインにも911の香りを感じるが、それ以上に私がハッとしたのは、運転席から見える左右のフェンダーの高い嶺の張り出しだった。今回の試乗会には公道走行用として3リッターV6ツインターボを搭載する素のパナメーラとパナメーラ4、サーキット走行用として、4リッターV8ツインターボに電気モーターを組み合わせたターボEハイブリッドが用意されていたが、最初に試乗することになったパナメーラ4に乗り込んだ時に、そこから見えるフェンダーの嶺の風景が992型911にそっくりだと思ったのだ。

大幅にデジタル化が進められたコクピットまわり。中央にひとつだけ残されていたリアルな針を持った大型回転計もヴァーチャル表示に置きかえられた。シフトノブがメーター右脇に移動するとともにセンターコンソールからはスイッチ類がほぼ一掃され、多くはタッチ・ディスプレイによる操作に切りかえられている。助手席の正面や後席にもディスプレイを装着できるようになった。


一方、インテリアは911以上に新時代のデジタル化の大波によって一新されていた。私が勝手に最後のポルシェの良心だと感じていたメーターパネルの中央に唯一残されたリアルな針のついた回転計も、ついにヴァーチャルにとって代わられた。これは911とは異なるが、ひょっとすると次世代911もこうなるのだろうかと思うと少し寂しい。ダッシュボードからスイッチ類はほとんどなくなり、エアコンやオーディオのボリュームを除くすべては巨大なタッチスクリーンで操作するようになった。シフト・レバーまでもがステアリングホイールに近いメーターとスクリーンの間に移動している。

エンジンの始動も、もはや捻るものではなく押すものとなった。メーターの左下のボタンで3リッターV6ツインターボに火を入れ、シフト・レバーを下に押し下げると、スムーズな動きでセビリアの街へと繰り出した。

シートは前後ともバケットタイプでホールド性抜群。



まるでスポーティなSクラス

走り始めて驚いたのは、まるで少しスポーティな味つけのメルセデス・ベンツSクラスにでも乗っているかというくらいに、乗り心地が良かったことである。これは間違いなく快適性に振ってきたな、と思ったのだが、それでは高速道路ではどうかと言えば、ピタッと路面に張り付くような走りはこれまでと同じかそれ以上で、全体的な乗り味では4WDモデルらしく直進安定性が抜群にいい。3リッターV6ツインターボに8段PDKを組み合わせたパワートレインの躾けられ方も素晴しく洗練されていて、これぞ高速ラグジュアリー・サルーンという速さと快適さが高次元で融合した走りを見せてくれた。

さらに、試乗コースにはかなり山岳路が入っていたが、アップダウンと中高速コーナーが続く道をスポーツやスポーツプラスといったモードで走るのは、まるでスポーツカーを操っているような楽しさだった。ただし、常に重さを感じるし、街中や高速道路を走った時ほどの感動はないのだが、後輪操舵も付いているとはいえ、これだけの大型サルーンが気持ち良く曲がるのには脱帽した。



実は、今回新開発された足回りは2種類で、いずれもエアスプリングを使うのは同じだが、標準装備されるのは2チャンバーのエアスプリングに、2バルブの可変ダンパーを組み合わせたものだ。2バルブで伸び側と縮み側の制御を分けたことで、快適性とダイナミック性能をともに拡げることが叶ったという。パナメーラ4に付いていたのはこれで、これでも十分に画期的だと思ったのだが、驚いたのはもうひとつの方だ。

それがポルシェ・アクティブライド・サスペンションと呼ばれる新システムで、1チャンバーのエアスプリングに、電気モーターで発生させた油圧を使って瞬時に硬さと高さを変えるダンパーを組み合わせており、これには400Vの電源が必要になる。よってハイブリッド・モデルにのみオプション装着できるのだという。公道試乗を終えた後、サーキットで、これが装着されたターボEハイブリッドに乗ることができた。




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