2024.10.26

CARS

受注停止のまま、レクサスLXが一部改良 待望のハイブリッドを搭載したLX700hを新規設定

「トヨタ・ランドクルーザー300」のレクサス版である「LX」は、現行型で4代目を数える高級SUV。初代は、1996年にランドクルーザー(ランクル)80系をベースに北米市場をメインに発売された。日本には、ランクル100系が「トヨタ・ランドクルーザー・シグナム」の名前で初めて導入されたが、レクサスLXとして販売されるようになったのは2015年に発表されたランクル200系ベースの3代目からとなる。

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レクサスLX初のハイブリッド

2024年10月10日に現行型が一部改良とともに、レクサスLX初のハイブリッドとなる「LX700h」のプロトタイプが世界初公開された。



3.5リッターV6+1モーター

レクサス初のパラレル・ハイブリッド・システムを積むLX700hは、LXの信頼性や耐久性、悪路走破性を支える駆動系、フルタイム4WD、2段変速の副変速機、トルコン式10段ATを電動化されても引き続き採用する。3.5リッターV6ツインターボ・エンジンと10段ATの間に、クラッチを備えるモータージェネレーターが配置される。モータージェネレーターの追加により重量が増加、全長が伸びたパワートレインを搭載するため、専用のクロスメンバーが新設されるなど、プラットフォームにも手が入れられた。

状況に応じてエンジンのみ、モーターのみの切替をハイブリッド制御システムが最適に制御。低い回転から最大トルクを発生するモーターのトルク特性と大排気量ツインターボ・エンジンの組合せにより、低速域では小さなスロットル開度からレスポンスに優れたリニアな発進と加速が可能で、高速域では大トルクを活かした力強く伸びのある加速を実現するという。



ハイブリッドが壊れても大丈夫!?

また、シリーズ・パラレル式を持つ従来のレクサスのハイブリッド・パワートレインには装備されていないオルタネータとスターターが備わるため、万が一ハイブリッド・システムに不具合が発生した場合でもスターターによりエンジンの始動が可能。オルタネータで発電された電力を12V補器バッテリーへ供給することで、エンジンのみでの退避走行ができる。日本ではあまり考えにくいが、砂漠や山岳地帯などで万が一ハイブリッドの不具合で車両が止まってしまい、動けなくなることで命に関わるという懸念も払拭されることになる。退避走行中も副変速機のロー・レンジの使用やアクティブ・ハイトコントロール「AHC」による車高調整機能「A-TRAC」は作動する。



渡河性能はエンジン車と同等の700mm

渡河性能はエンジン車と同レベルも確保。リア・フロアに配置されるハイブリッドのメインバッテリーには上下二分割の防水トレイでパッキングする防水構造を採用。水の浸入を防ぐことで、エンジン車同等の渡河性能700mmが確保されている。万一、水が浸入した際にはトレイ内に配置された被水センサが検知し、メーター表示によるドライバーに注意を促す。

給電機能も搭載も朗報だ。センターコンソール下のACインバータ(防水構造付き)により1500Wもしくは2400W(地域によって異なる)までの給電が可能となっている。

シフト・セレクターは「エレクトロシフトマチック」になり、心地のいい触感と高い操作性を両立。シフトノブもLX専用デザインとなる。



全モデルにフル液晶メーターを採用

また、一部改良により、ボディ剛性の向上やフレームにボディをマウントするキャブ・マウント・クッションも構造を刷新。振動を抑制するなど静粛性の向上も盛り込まれた。

さらに、メーターを12.3インチ大型フル液晶式に変更。運転支援情報がよりわかりやすくなるとともに、画面をカスタマイズにより、LX伝統の補器バッテリー電圧やエンジン油圧計の表示をはじめ、ブーストメーターやハイブリッドバッテリー充電状態(ハイブリッドモデルのみ)など各種インフォメーションを表示することができる。ドライブ・モード・セレクトやマルチテレイン・セレクトの切替え時の車両アニメーション表示も一新されている。

新採用のエア・ブラダー(空気袋)方式のリフレッシュ・シートも見どころで、センターディスプレイのスイッチから、機能のオンオフ、全身2コースや部位別3コースなど全5コースが選択可能で、強度も5段階から設定できる。センターコンソール上面の「置くだけ充電」もアップデートされた。急速充電に対応するのはもちろん、従来型ではリア・センターコンソールのみだった「エクスクルーシブ」はフロント・センターコンソールにも追加されている。



新グレード、オーバートレイルを設定

ラインナップでは、専用装備と内外装色を持つ“OVERTRAIL”(オーバートレイル)の追加が注目ポイント。専用の黒光輝塗装スピンドルグリルとマットグレー塗装アルミホイールをはじめ、ディテールが黒とダーク系色でコーディネイトされ、過酷な環境にも耐えるプロの道具感を醸し出している。フロントとリア・ディファレンシャル・ロック、265/70R18のオールテレインタイヤ、265/65R18の「M+S」(マッド&スノー)タイヤが専用設定されるなど、ひと味違うLXを堪能できる。

そのほか、最新の運転支援装置「Lexus Safety System +」(レクサス・セーフティ・システム・プラス)が備わり、「プロアクティブ・ドライビング・アシスト」や「プリクラッシュ・セーフティ」、「レーダー・クルーズコントロール」などがアップデートされ、ドライバーの万一に対応しつつ、ロングドライブなどでの披露軽減に寄与する。

発売は2024年末以降、順次各地域で行われる予定。価格などの詳細はそのときに発表されることになるだろう。



文=塚田勝弘

(ENGINE WEBオリジナル)

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