2025.10.11

LIFESTYLE

築28年ですっぽりと森に飲み込まれた建築家の自邸 夫はポルシェ、妻はカングー 愛車が大活躍する素敵な田舎暮らし 

梶原邸が完成したのは1997年。家の完成時は周りに大きな木がなかったが、あっという間に森の中の一軒家のようになってしまった。

全ての画像を見る

愛犬もクルマ好き

「我が家に迎えたクルマは、できれば動かなくなるまで乗り続ける、というのがポリシーです」と語る梶原さん。残念ながら996は16万キロで調子が悪くなったため、5年前から今のボクスターに乗っている。ビート以来のオープンカーで、標準モデルでは最後の6気筒エンジン車だ。13歳になる愛犬のエアラちゃんはクルマに乗るのが大好きで、普段から一緒にドライブに出かけている。取材時も、「私も乗せて」とアピールしてくるのが可愛かった。

advertisement


1903年に建てられた校舎を利用した「もうひとつの美術館」の前に立つ、館長の梶原紀子さんと愛車のカングー。

古い教室を利用した美術館の展示室。可動壁を移動させて、大空間としても使用できる。

一方、紀子さんはオペル・ヴィータのあと、2代目のフィアット・パンダ、梶原さんから譲られたアウディA3を経て、現在の2代目カングーに乗っている。国産の他のワゴンも検討したが、どうもしっくりしないため、またカングーを選んだとのこと。運営している美術館の作品の運搬や、家族そろっての外出などもあり、5年で走行距離は10万キロに達している。

ちなみに紀子さんが運営している認定NPO法人「もうひとつの美術館」は、120年以上も昔に建てられ、廃校となった小学校の校舎に、少し手を入れて使っているもの。2001年にオープンした、日本で最初の、障害のあるアーティストにフォーカスした美術館だ。自由な発想で作られた彼らの美術作品は、今ではアウトサイダー・アートとして高い評価を得ているジャンルである。美しくのどかな環境にあるこの美術館で作品を観ていると、自然と優しい気持ちになった。

若いうちに家を建て、毎日愛車を運転し、文化的な暮らしを森の中で送る梶原夫妻。田舎ならではの苦労もあるだろうが、都会の生活にはない、とても豊かなものを感じた。

文=ジョー スズキ(デザイン・プロデューサー) 写真=田村浩章

(ENGINE2025年8月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement