2025.09.05

CARS

未来のTTはちょっとレンジローバー風味? シンプル・デザインへシフトするアウディ

新世代アウディはまるでロボットのような顔つきに?

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アウディが、ミラノで公開した「コンセプトC」は、将来的な市販車デザインの方向性を示すスタディ・モデルだ。

新世代のアウディを示すデザイン


“明快さの追求”というテーマを掲げた発表会に登場したこのアウディ・コンセプトCは、大きな面がシームレスにつながる、金属塊から削り出したようなスタイリングだ。



かつてのTTやR8を思わせるフォルムながら、徹底してディテールを削ぎ落とした、これまでのアウディとは異なるテイストに仕立てられている。



それもそのはず、と納得させるのは、新たなデザイン言語の制定を主導したチーフ・クリエイティブ・オフィサー(CCO)のマッシモ・フラスチェッラの存在だ。

2024年6月に就任した彼は、前職でJLR(ジャガー・ランドローバー)のデザイン部門を率い、現行のディフェンダーやレンジローバー、レンジローバー・スポーツを手がけた人物なのである。

なお、キャリアのスタートは伊ベルトーネで、その後はフォードとキアを渡り歩いてきた。



フロント周りは垂直方向の要素が目立つが、これは1936年のアウトウニオン・タイプCや、2004年の3代目アウディA6がモチーフだという。ヘッドライトは対照的に、水平方向の細い長方形だ。





ボディ・カラーはチタニウムと銘打たれ、張り出したショルダーやサイド・パネルの抑揚が際立つ陰影を生む。ミドシップ風の2シーター・キャビンを持つプロポーションは、車体中央にバッテリーをレイアウトしたことによると説明されており、電動化されるポルシェの次期ボクスター/ケイマンとのコンポーネンツ共用を推測させる。





ルーフは、アウディでは初となる電動開閉式で、後方へとスライドして収納される。キャビンの背後はガラスではなく、直線的な横スリットが刻まれたボディ同色のカバーで覆われた。



テールライトは、ヘッドライト同様に細長い長方形がボディ面へ段差なく埋め込まれている。テール・エンド下部の黒いディフューザー部も、直線的な処理だ。



インテリアも、水平基調に直線的な縦のラインを組み合わせたシンプルな構成で、10.4インチのセンター・ディスプレイは格納式。ハプティック・コントロールを組み込んだステアリング・ホイールは、真円のリムを備える。内装色は、外装同様にチタンをイメージしたもので、同じ色調の濃淡を重ねている。



2025年末までの24カ月で20以上の新型車を発表しようとしているアウディは、IAAでコンセプトCとともに、Q3スポーツバックe-ハイブリッドを公開する。2026年以降はさらに、完全電動のエントリー・モデルや、アウディ・スポーツのパフォーマンス・モデルなど新たなバリエーションも準備中とのことで、このコンセプトCから発展した新型クーペの登場にも期待したいところだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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