2025.12.13

CARS

26歳令和の若者のクルマが、昭和のオジサンをワクワクさせてくれた 当時流行ったコンプリートカー風に仕上げた2代目トヨタ・セリカXX

令和の若者は、当時を知る昭和生まれのオジサンを年甲斐もなくワクワクさせてくれました。

全ての画像を見る

自動車雑誌を頼りに再現

しかし、参考にできたのは自動車誌などの情報のみ。実際にエアロを組んだ実車のXXを目にする機会はなかったという。

advertisement


「元々このクルマにエアロは付いてなくて、代わりに車高がもっとベタベタに落としてあった。西の方だとそういうのが一般的なのか、フルエアロってあまり馴染みがない印象ですね。どちらかというとエアロは東のカスタム文化なのでしょうか」



そう尋ねられて、このXXが現役だった頃、横浜や湘南あたりではエアロでバッチリ決めたハイソカーが街を流していた。当時、私はまだ幼かったが、小川さんの話を聞いて、それらのクルマを憧れの眼差しで眺めていた記憶が蘇ってきた。

その頃、XX用のエアロといえば、レグルスのほかにもトラストやモータートレンドといったブランドの個性的なアイテムが数多くあったが、それらを今、フルキットで入手できたのは幸運といえるだろう。

足元を固めるホイールはヒーローズレーシングのアイスピード。これも苦心して見つけた当時ものだ。ディスク・タイプのセンターキャップを装着したものが多いが、その代わりに赤いリングを装着したこのスタイルが小川さんのお気に入りだ。



「ボーイズレーサー的なホイールかなとも思いますけど、このデザインと配色がいいんですよ。でも、ここだけ赤だと日の丸弁当の梅干しみたいに目立ちすぎるんで、フェンダーのデカールと輸出仕様のサイドマーカーで赤を足して、バランスを取りました。サイドモールを黒のまま残したのは、ご飯に散らした胡麻みたいに見えるかなと思って」と、なかなかユーモラスなたとえも含めて、小川さんはかなりいいセンスの持ち主だと思う。

メカニズム関係は、購入時すでに大きく手が入っていたという。

「購入したときすでにオーバーホールに近いメンテナンスがしてあったので、大きなトラブルは今のところないです。実はエンジンはハイメカツインカムに載せ替えてあったんですけど、こっちのほうがもともと積んでた普通のツインカムより部品が出るんですよ。それも、このクルマを選んだ理由です。乗り続けるために、維持しやすさを考えたモディファイをするっていうのもあっていいんじゃないかって思うんですよね」

当時もののパーツで固めたXXの傍らに立つ令和の若者は、当時を知る昭和生まれのオジサンを年甲斐もなくワクワクさせるほどクルマへの熱き思いを有していた。

文=関耕一郎 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年11月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement