2021.07.03

CARS

維持が大変かもしれないけれど、たった2年の間に古いジャガーを2台持ちしたエンジン還暦編集部員の覚悟とは 「年齢と環境問題を考えるとラストチャンス 2匹の猫を飼います!!」


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景色が違って見える

XJSコンバーチブルの購入を決めたのは程度がいいものと巡り合えたというのが一番だけれど、12気筒エンジンに乗っておきたかったというのもある。自分の年齢と環境問題を考えると、ラストチャンスだ。

先日、2台持ちオーナーを取材するため、湯河原までXJSコンバーチブルで訪ねた。東名高速で追い越しをするときも3000rpmも回せば十分だ。ATは3段で、どこまでもシューッと引っ張っていく感じがいい。5.3リッターV12は最高出力280ps/5500rpm、最大トルク415Nm/2800rpmを発生する。車重は1840kg。ゆったりとしたクルージングが似合う。

国道134号線の海岸通りではトップを下ろした。風の巻き込みは速度に比例して激しくなる。でも、そんなことはどうでもいいほど気持ちがいい。クルマによってこうも気分が違い、見える景色が違うものかと思う。見慣れた海岸通りも外国に思えてくる。



似ている2台

1975年にデビューしたXJSはXJサルーンのホイールベースを短くしたクーペとして登場した。そのせいか、12気筒と6気筒の差はあるけれど総じて乗り味は似ている。まず、両車ともに着座位置が低い。長期リポート車のメルセデス・ベンツ300TEから乗り換えたりすると、地面に一番近いところに腰を下ろすような感じがしてビックリする。

メルセデス・ベンツ300TEのどっしりとした安定感は魅力だけれど、味気がないとも言える。一方、ジャガーの2台はずっと繊細だ。その繊細な感じがドライビングの旨味になっている。たとえば、首都高速のカーブを駆け抜けていく感じは、メルセデス・ベンツ300TEよりスポーティだ。地面に張り付くように低く、キレのいい旋回をする。スポーティと言っても、筋肉モリモリのタフネスさはなくて、あくまでも上品でしなやかというのが2台に共通する。

佇まいが素晴らしいというのも共通点だ。XJ6は本当に美しいサルーンだと思うし、XJSコンバーチブルの低さ、ボディの薄さ、鼻の長さはEタイプの後継だけあって、とても個性的だ。出たときは酷評されたスタイリングだが、いま見るとカッコイイ。ジャガーの創始者、ウィリアム・ライオンズは「人々はまずスタイルで判断する」と、スタイリングにこだわった。その信念や哲学は33年経っても色あせないのだと、XJ6を見るとつくづく思う。

ちょっと古いジャガーの2台持ちは、維持が大変かもしれない。でも、2匹の大きな猫を飼ったと思えばいい。ペットが病気だったらおカネを惜しむ人はいないだろう。せっかくジャガー2台持ちになったのだから、自分も少しはジェントルマンらしく振舞いたい。生前懇意だったミュージシャン、加藤和彦さんは英国趣味の人だった。いまの私を見てなんて言っただろうか? 西田純朗君と加藤和彦さんが生きていたら「ジャガー買いましたよ!」と、真っ先に報告しただろう。伝えたい人には間に合わなかったけれど、2人の分もジャガーを楽しもうと思っている。



文=荒井寿彦(ENGINE編集部) 写真=茂呂幸正

(ENGINE2021年2・3月合併号)

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