2021.10.11

CARS

早期退職制度に2000人が殺到したホンダの舞台裏

今年4月にホンダのトップに就任した三部敏宏社長。就任スピーチでは、2040年までにホンダの新車における電気自動車と燃料電池車の販売比率をグローバルで100%になるよう目指すと宣言。

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ただ才能ある人も少なくないため、主として新興国のメーカー(一昔前なら韓国。今や圧倒的に中国)から引っ張られる人もいるという。日本の自動車技術の流出という手痛い損害になってしまうということから、ホンダ社内でも問題となっているようだ。確かにクルマ作りのベテランを各部門から20人くらい揃えたら、けっこう良いクルマが作れてしまうことだろう。ホンダというより日本の自動車産業にとって厳しい。

とはいえ現実的には妖精も、干されている人達も、高給を取っているのに貢献度で評価したら極めて低い。年収1500万円で働かない人を雇っているより、年収750万円払えばバリバリに働いてくれる人を2人雇用した方が会社にとってみたら有用。2人雇用して1人使えない人材だったとしても、仕事をしない高給者に2人辞めて貰った方がずっといいと言う判断だと思う。それくらいホンダ社員の高齢化は大問題だったようだ。

ホンダが昨年10月に発売した量産型電気自動車『ホンダe』

ちなみにホンダは三部敏宏社長の新体制でエンジン車から電気自動車への転換を図る方針を打ち出したが、電動化に向けての技術陣が圧倒的に薄いという。前述の通り経営状況は悪くない。今のうちに、1)効率の悪い高齢者に辞めて貰い若返りを目指す。2)電動化のため新しいジャンルの技術者を揃える、という2点が急務なのだろう。2040年のフル電動化車両ラインナップに向け大きく舵を切ったという認識でいいと思います。

文=国沢光宏 写真=本田技研工業

(ENGINE2021年11月号)

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