2021.11.02

CARS

ついに生産終了! ロータス・エヴォーラGT410スポーツに乗って「ロータスとは何か?」を考える


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数年後、ベッカーはエヴォーラのために、エリーゼの開発チームを再集結させた。エヴォーラはロータスを知り尽くし、エリーゼを産み出した、いうなればドリーム・チームが造ったクルマだった。

エヴォーラはエリーゼとエキシージの上位モデルということで、2+2のシートを持ち、トヨタ製V6ユニットを横置きするミドシップのスポーツカーでありながら、毎日乗れるライフスタイル・カーとして送り出された。2シーターの旗艦スポーツカーでありGT的な、新しいエスプリの開発も進んでいたからだ。





しかし、商業的な成功は得られなかった。ロータスとしては中途半端だと、市場に受け入れられず、おまけにエスプリの計画が頓挫してしまい、エヴォーラはその代わりも務めることになった。

280psを発揮する自然吸気のV6ユニットは、スーパーチャージャーが追加され、さらにインタークーラーも付き、年々パワーが向上した。エンジン以外の改良も進んだ。6段MTのギア比が改善され、6段ATモデルも追加になった。マイナーチェンジで400psを超えた時は、シャシーも改良され、サイドシルが低くなり、乗降性もよくなったが、スポーツカーの色合いも一層濃くなった。確かに完成度も上がったが、ロータス伝統のしなやかな足まわりも、穏やかだが情報豊かなハンドリングも、少し薄れたようだった。ベッカーが引退し、彼がその技を伝えてきた息子のマット・ベッカーが、ロータスからアストン・マーティンへ移籍したのもこの頃だった。

その後ジーリー・グループ傘下となったロータスは、着々と水面下で拡大計画を練ることになる。そのため現行モデルにかけるリソースは非常に限られ、抜本的な改良は一切されなかった。ライバルに対抗するにはパワーを上げ、よりスパルタンな味つけにするしか手がなかった。けれど、そのおかげでエヴォーラは、エリーゼやエキシージとともに生き残った。年々厳しくなる規制のため、まわりのスポーツカーがどんどん巨大化し重くなったせいで、相対的にそのサイズと軽さが注目されることになったのだ。

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