2021.11.07

CARS

祝007最新作公開! 725馬力V型12気筒のDBSに乗ってアストン・マーティンの世界に浸る


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コーナーの手前で減速するとフロントに荷重が寄るが、リアにもまだちゃんと残っていて、ターンインではステアリング・ゲインが高すぎることなく、ステアリングの動きに対して車体のアングルはリニアに変化する。「フェラーリのステアリング・ギア・レシオは12台ですがそれでは少しセンシティブなので、DBSはあえて13・09にしてあります。このほうがダイレクト感があってドライバーの意思通りの挙動となるからです」とはマット・ベッカーの弁。DBSにはコンバーチブルのヴォランテもあるが「リアのばねレートと減衰力はそれぞれ30%ずつ高くしました。コンバーチブルはリアが約100kg重くなるからです」とのこと。こういう微に入り細を穿つ妥協なきセッティングができるのは、彼自身が無類のスポーツカー好きであり、スポーツカーの理想像を具体的に持ち合わせているからだろう。



現実的には、725ps/900Nmのパワーを後輪だけでまかなうのは無理があり、4WDにしたほうがパワーロスが少なく効率的である。それでもあえてFRを選び、電制デバイスはいざというときの安全装備と割り切り、ドライバーがコントロールしやすい味付けに特化している。こんなことが実現できているのはマット・ベッカーのスキルと功績に因るところはもちろん、物理の神様には無用に逆らわないという思想があるからだ。そしてこれが、英国のライトウエイト・スポーツカーが大事にしていたことだと思うと、ブレない“ジョンブル魂”のようなものが透けて見えたようでなんとも感慨深いのである。

文=渡辺慎太郎 写真=茂呂幸正

■アストン・マーティンDBSスーパーレッジェーラ
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動
全長×全幅×全高 4712×1968×1280mm
ホイールベース 2805mm
車両重量 1910kg(車検証)
エンジン形式 V型12気筒 DOHCツインターボ
総排気量 5204cc
最高出力 725ps/6500rpm
最大トルク 900Nm/5000rpm
変速機 8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前/後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前/後) 265/35ZR21/305/30ZR21
車両本体価格 3573万600円

(ENGINE2021年11月号)

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