2022.04.08

CARS

ただのセーフティーカー・レプリカではなかった! アストン・マーティン・ヴァンテージF1エディションに5人のモータージャーナリストが試乗!!【2022年エンジン輸入車大試乗会】

アストン・マーティン・ヴァンテージF1エディション

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続いて、島下、島崎、飯田のインプレッション。ベース・モデルとの比較を明確にした飯田は、F1エディションの許容範囲の広さが魅力と語っている。

ブランドの新しいイメージを担う、ソノ気にさせるモデル/島下泰久

ヴァンテージに大きなウイングなんて似合わないのでは……とは対面するまでは私とて思わないではなかったが、実車は想像以上にキマッていた。WECでの活躍に加えて車名にも記されているF1参戦など、最近のこのアストン・マーティンはモータースポーツへの関わりがますます強まっているから、想像以上にすんなり馴染んだということだろうか。もちろん、それは見た目に違わない走りっぷりのおかげでもある。エンジンは吠えるしサスペンションはハードだから走り出すとすぐに戦闘態勢を強いられるが、このクルマにはソノ気になるほど応えてくれる走りのポテンシャルが備わっている。なので、ついつい右足に力が入ってしまうのだ。2022年のF1で活躍し、そしてこのヴァンテージF1のようなモデルが活き活きと走り回る姿が浸透していけば、アストン・マーティンのスポーツカー・ブランドとしての新しいイメージは、さらに浸透していくに違いない。このブランドにはまだまだ高いポテンシャルがある。それを改めて実感させた興奮を誘うモデルである。



すべてが刺激的でヴィヴィッド。馴染めば快感に!/島崎七生人

アストン・マーティンには、ラピードやもっと遡ればラゴンダといった4ドアもあった。最近ではSUVモデルのDBXも登場している。とはいえ、やはり本筋はクーペだ。昨年、某国産FRスポーツ・クーペの開発責任者にインタビューをした際にも「サイドビューがアストン・マーティンみたいでしょ?」と言われ、相づちがコンマ5秒遅れたのはここだけの話だが、それくらい、クーペの手本としても認知されているということだろう。試乗車はヴァンテージのF1エディションで、オールアルミ製の4リッターツインターボV8は535ps/685Nmと、とてつもない。試乗コースの自動車専用路ではそのサワリを味わう程度に過ぎないが、サーキットのセーフティ・カー由来なだけに、走らせている限り、その間、その瞬間のパワー、音、クルマのレスポンスは常に刺激的でヴィヴィッドだ。とはいえ過酷ということではなく、身体が馴染んでくると快感に変わるところが、このクルマの魔力なのだろう。もちろん雰囲気重視派の僕には、涼しい顔で乗っていられる“羽”の付かない普通のタイプでも十二分だが……。



どんな状況でも不快にならないほどパフォーマンスの振り幅が広い/飯田裕子

F1オフィシャル・セーフティ・カーをベースにサーキットのラップタイムの“大幅”アップを狙った改良が施されている。最高速度314km /h到達時にはベース・モデルに対し200kgも多いダウンフォースが発生するって、どんだけ?(笑)。街中では、コーナーをヒラヒラと走る軽快さが印象的なベース・モデルに対し、このモデルのステアリングはシットリ+シッカリの“やや”重め。身のこなしからもタフさが増している印象だが、ガチガチなタイプではない、“ドライブモードのデフォルト=Sモード”では! しかも乗り心地は驚くほど普段使い向きで、アストン・マーティンのしなやかな脚力ぶりは健在。ところがトラック・モードに切り換えたとたん、エンジンは猛々しい音を発し、足元も引き締まりゴツゴツとした乗り心地に変った。「これはホントにサーキットで走らせるときに使う特別なスイッチなのね」と理解。F1エディションはドライビング・パフォーマンスの振り幅の広さも魅力で、街中ドライブの後味も不快さはまったくなく我慢も要らない、まさにスーパーなスポーツカーと言えそう。



写真=神村 聖(メイン)/郡 大二郎(サブ)

(ENGINE2022年4月号)

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